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2021 年度 実績報告書

東南アジア地方自治ガバナンスと住民意識の分析―インドネシア、フィリピンの比較

研究課題

研究課題/領域番号 20H04425
研究機関大阪大学

研究代表者

西村 謙一  大阪大学, 国際教育交流センター, 准教授 (40237722)

研究分担者 永井 史男  大阪市立大学, 大学院法学研究科, 教授 (10281106)
菊地 端夫  明治大学, 経営学部, 専任教授 (40515920)
長谷川 拓也  東洋大学, アジア文化研究所, 客員研究員 (50760534)
籠谷 和弘  関東学院大学, 法学部, 教授 (70313351)
東方 孝之  独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 研究企画部, 海外研究員 (70450533)
小林 盾  成蹊大学, 文学部, 教授 (90407601)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードインドネシア / フィリピン / ソーシャル・キャピタル / 地方分権 / 地方自治体 / 住民参加 / 住民意識調査
研究実績の概要

インドネシアおよびフィリピン両国におけるソーシャル・キャピタルと住民の政治意識、首長評価、地方自治体のパフォーマンス評価、住民のウェルビーイングとの関係を統計学的手法に基づいて分析し、その結果を公表するための英文書籍の刊行に向けて、同書の構成についての検討を行い出版企画書を作成するために、研究会を2回実施した。
同書では、上記両国について、住民の地方自治への参加と、(1)首長および自治体パフォーマンスへの評価、(2)住民の政治的意見、そして(3)住民の幸福感・階層意識との相関関係を分析することを目的とする。このために、インドネシアとフィリピンそれぞれについて、(1)および(2)に関する分析を行う各章を設け、(3)の分析のために1つの章を設定する。これに序章および結論を加えた全7章で同書を構成することとし、それぞれの章を担当するメンバーの割り振りを決定した。書籍の概要について担当者間で認識を共有したうえで、編著を担当するメンバー間で出版社に提出する企画書案を検討した。
これに加えて、予備的な分析作業を行うための研究会を実施した。具体的には、上記2か国について、(1)住民参加が住民の政治意識を高めるか否か、(2)住民参加が市町長に対する評価を肯定的なものにするか否かに関する統計学的分析を行った。分析の結果、インドネシア、フィリピンの両国とも、(1)住民参加が促進されるほど政治意識が高まることが明らかになった。他方、(2)住民参加の程度と市町長に対する評価については、フィリピンでは両者の間におおむね正の相関関係があるものの、インドネシアについてはフィリピンと比較すると相関関係が弱まることが明らかになった。
なお、両国での現地調査については、今年も新型コロナウイルス感染症の影響で出入国制限がかかったため、実施することができなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

前年度にインドネシアおよびフィリピンでの現地調査ができなかったことを踏まえて、今年度は、令和4年1月までに現地調査計画の再検討と海外現地調査のための調整を行い、同年3月までに海外現地調査を実施して、そこで得られたデータの分析を行う予定であった。しかし、今年度も新型コロナウイルス感染症の影響により、日本および上記両国への出入国が困難な状況が続いたことから、現地調査を断念せざるを得なくなった。
また、両国内の地方自治体関係者らとのリモートでのインタビューについても検討したが、新型コロナウイルス感染症への対応等に追われている関係者とのアポイントメントを取り付けることは難しく、これについても断念せざるを得なくなった。
このため、今年度は、英文書籍出版のための構想を検討することに集中することにした。

今後の研究の推進方策

今年度に引き続き、英文書籍の出版に向けて企画書案の検討を行う。特に同書の学術的意義について、近接するテーマで分析を行っている類書との比較等を踏まえて検討を進める。これらの作業を行った上で企画書を完成させ、出版社との間ですり合わせを行い出版への承認を得たい。
英文書籍では、住民意識調査で得たデータの一部についての分析にとどまるため、他のデータについても分析を進める必要がある。したがって、データの他の変数―回答者の属性、政党支持、住民ネットワークなど―を用いたモデル構築のための検討を進める。
このためにも、自治体関係者や住民組織関係者へのインタビューを中心としたインドネシア、フィリピン両国での現地調査を実施する必要がある。新型コロナウイルス感染症の流行の見通しをたてることは難しいが、日本および調査対象国の出入国規制を注視しつつ、現地調査の可能性を探り、可能な限り調査の実施にこぎつけたい。
以上の作業の他に、各メンバーの研究関心に合わせて、学会発表および論文の学術誌への投稿を継続する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 オープンアクセス 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] フィリピンにおける地方自治体職員と住民・民間企業の関係―職員の能力に関する首長の意向は職員の行動に反映されるのか―2022

    • 著者名/発表者名
      西村謙一
    • 雑誌名

      多文化社会と留学生交流 : 大阪大学国際教育交流センター研究論集

      巻: 26 ページ: 95~103

    • DOI

      10.18910/86452

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Local Names of Fishes in a Fishing Village on the Bank of the Middle Reaches of the Kampar River, Riau, Sumatra Island, Indonesia2021

    • 著者名/発表者名
      Nakagawa, Hikaru., Takamasa Osawa, Akhwan Binawan, Kurniawati Hastuti Dewi, Takuya Hasegawa, Desti Zarli Mandari, Nofrizal, Wahyu Prasetyawan, Masaaki Okamoto
    • 雑誌名

      Southeast Asian Studies

      巻: Vol.10.3 ページ: 435~454

    • DOI

      10.20495/seas.10.3_435

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] 米国における自治体の重層構造の調整メカニズムとその評価:カリフォルニア州自治体境界審査委員会(Boundary Review Commission)の機能を中心に2021

    • 著者名/発表者名
      菊地端夫
    • 雑誌名

      季刊行政管理研究

      巻: 174 ページ: 18~32

  • [学会発表] インドネシアおよびフィリピンの地方自治に関する住民意識の分析2022

    • 著者名/発表者名
      西村謙一, 永井史男, 籠谷和弘, 小林盾, 菊地端夫, 岡本正明
    • 学会等名
      京都大学東南アジア地域研究研究所 共同利用・共同研究拠点「東南アジア研究の国際共同研究拠点」 令和3年度研究成果報告
  • [学会発表] Function of NGOs and the Performance of Local Governments in the Philippines2021

    • 著者名/発表者名
      Kenichi Nishimura
    • 学会等名
      EROPA Virtual Conference 2021
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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