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2021 年度 実績報告書

ボルネオ島カヤン諸族の言語活動にみるインドシナ諸言語・文化の影響

研究課題

研究課題/領域番号 20H04432
研究機関天理大学

研究代表者

奥島 美夏  天理大学, 国際学部, 教授 (10337751)

研究分担者 伊藤 雄馬  横浜市立大学, 都市社会文化研究科, 客員研究員 (10795488)
河合 文  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教 (30818571)
二文字屋 脩  愛知淑徳大学, 交流文化学部, 准教授 (50760857)
新江 利彦  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (60418671)
平田 晶子  東洋大学, アジア文化研究所, 客員研究員 (70769372)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード東南アジア両岸交流 / 言語活動 / ボルネオ少数民族 / オーストロネシア語族 / モン・クメール語族
研究実績の概要

2年目に当たる2021年度は、引き続き新型コロナ禍により海外調査が実施不可能で、国内の研究会議・執筆と電話などを通じた現地協力者へのインタビューなどを中心に行った。
10回ほど開催した研究会議(主にオンライン形式)では、昨年度に続いてThe Handbook of Austronesian Languages (2 vols.)を、そして言語学者N. J. EnfieldやJ. Difflothなどの論文を輪読し、メンバー各自のフィールドデータと比較していった。国内調査協力者として、カンボジア研究者なども招聘し、現地の基礎語彙や暦などのデータを学ぶことができた。
また、研究成果論集を作成するための素案として、身体部位(手、腕、足、頭、首など)や動物・生物(鹿、熊、蛇、家畜、魚など)の語彙に関する先行研究を読み、メンバーのもつフィールドデータと比較分析するという試みも行った。その結果、例えば犀鳥は東南アジア大陸部・島嶼部ともに広くみられ類似の語彙が点在していること、ボルネオ少数民族の語彙も大陸部(モン・クメール語族)の影響を受けていると考えられることがわかった。
その他、論文執筆との関係もあり、1953~54年にボルネオのカヤン系言語諸族の日常生活を取材・撮影したフランスのチーム(代表:P. Ivanoff)の写真画像を取り寄せ、当時まだ残っていたロングハウスの基本構造や村人の服装、糸錘や機織り機、鍛冶場、漁場などの貴重な画像を現地民にネットから送り、語彙を電話などで確認した。画像の一部はBorneo Research Bulletin 51号の奥島の論文にも使用されている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2021年度も引き続き新型コロナ禍により海外出張が制約され、予定していたベトナムやボルネオでの共同調査が実施できなかったため。

今後の研究の推進方策

次年度も現地調査が難しい場合は、予定していた語彙分析の一部を断念し、上記にも書いた身体部位や動物の名称から各メンバーのデータを比較分析するなどの形で成果を出すことも考えている。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Epics of the Ga'ay, the most hegemonic Kayanic subgroups in East and North Kalimantan (2): Their Prosperity in the Age of the Baram and Balui basins.2021

    • 著者名/発表者名
      Mika Okushima
    • 雑誌名

      Borneo Research Bulletin

      巻: 51 ページ: 134-231

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ドリアンと森の恵み2021

    • 著者名/発表者名
      河合文
    • 雑誌名

      The Daily NNAマレーシア版

      巻: 07010 ページ: -

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 博士論文:ラオス中部ラオトゥンのラム歌唱の民族誌ーグローバル状況下にみる五感統合とデジタル化をめぐる身体感覚の現在2022

    • 著者名/発表者名
      平田晶子
    • 学会等名
      日本文化人類学会関東地区博士論文・修士論文発表会
  • [学会発表] 北タイ(ラーンナー)の伝統舞踊ージャオ・ダーラーラッサミー妃殿下の創作舞踊と生涯からー2021

    • 著者名/発表者名
      平田晶子
    • 学会等名
      東京外国語大学オープンアカデミー「東南アジアの音楽と芸能を知ろう~大陸部~」
    • 招待講演
  • [学会発表] Potentiality of fieldwork data for rural development in the context of Society 5.0: A case of development planning and the Bateks in Malaysia2021

    • 著者名/発表者名
      Aya Kawai
    • 学会等名
      The International Conference on Languages and Communication, Universiti Sultan Zainal Abidin (Malaysia)
    • 国際学会
  • [図書] 地球の音楽2022

    • 著者名/発表者名
      平田晶子(共著)(山口裕之・橋本雄一編)
    • 総ページ数
      292
    • 出版者
      東京外国語大学出版会
    • ISBN
      4904575970
  • [図書] 川筋の遊動民バテッ:マレー半島の熱帯林を生きる狩猟採集民(生態人類学は挑む・モノグラフ 5)2021

    • 著者名/発表者名
      河合 文
    • 総ページ数
      334
    • 出版者
      京都大学学術出版会
    • ISBN
      9784814003747

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公開日: 2023-12-25  

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