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2022 年度 実績報告書

ボルネオ島カヤン諸族の言語活動にみるインドシナ諸言語・文化の影響

研究課題

研究課題/領域番号 20H04432
研究機関天理大学

研究代表者

奥島 美夏  天理大学, 国際学部, 教授 (10337751)

研究分担者 伊藤 雄馬  横浜市立大学, 都市社会文化研究科, 客員研究員 (10795488)
河合 文  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教 (30818571)
二文字屋 脩  愛知淑徳大学, 交流文化学部, 准教授 (50760857)
平田 晶子  東洋大学, アジア文化研究所, 客員研究員 (70769372)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード東南アジア両岸交流 / 言語活動 / ボルネオ少数民族 / オーストロネシア語族 / モン・クメール語族
研究実績の概要

2022・2023年度は、新型コロナ禍が沈静化し出入国制限が段階的に解除されていったが、研究メンバーのフィールドである東南アジア奥地での調査はまだ実施が難しく、引き続き国内の電話などを通じた現地協力者へのインタビューなどを行った。
諸事情から平田と奥島は現地調査を実施するため終了を1年延ばして、ラオスやベトナム南部で基礎語彙や動物語彙などの調査を行い、また奥島は2023年にはマレーシア・サラワク州のカヤン系諸族の村々で基礎語彙と移住史伝承の収集を行った。その成果の一部は別紙の平田(2023)の書籍や、奥島(2023)の招聘講演などで発表されている。
マレーシア側のカヤン諸族はインドネシアと違い、カヤン、バハウ、ガアイの3下位グループのうち、ガアイ系の村落は存在せず、またバハウ系はクニャーなど別民族と認識されている。だが、マレーシアのカヤン諸族は大別してバラム流域とバルイ(ラジャン)流域に分かれ、バルイ流域に属する下位グループは大半が基礎語彙の一部が二重母音化しており、明らかにガアイから影響を受けていることが判明した。ここから、バルイ流域のカヤンは一部の伝承で言われるように、2世紀ほど前にインドネシア側へ移住したガアイ系の村々から分立して集団でマレーシア側へ移住し、その間に多様な方言が同化した可能性が高いことが明らかになった。
このガアイの諸言語には、カヤンの中でベトナムその他にいるオーストロアジア少数民族の語彙に似た語彙が最も多くみられる。今回のベトナム調査では、例えば「(髪が)灰色の」など、コホー諸族の基礎語彙がカヤン語の起源となったと思われる表現を確認できた。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (28件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 3件、 招待講演 13件) 図書 (5件)

  • [雑誌論文] タインホア省のチャム舞踊(占城伎)の里を訪ねて2024

    • 著者名/発表者名
      新江利彦
    • 雑誌名

      機関誌ベトナム(ベトナム協会)

      巻: 2023-2024 ページ: 21-25

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Ve moi quan he giua Lu'u Cau (Ryuku) va Viet Nam qua truyen su; (Relationship between Ryukyu and Vietnam as seen from historic legends)2024

    • 著者名/発表者名
      新江利彦
    • 雑誌名

      Dong A University Journal of Sciences

      巻: 1 (9) ページ: 106-119

    • DOI

      10.59907/daujs.3.1.2024.305

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 社会変化下で繋がりを構築する人々:マレーシア半島部オラン・ アスリの事例から2023

    • 著者名/発表者名
      河合文
    • 雑誌名

      マレーシア研究

      巻: 12 ページ: 129-137

    • 査読あり
  • [雑誌論文] チャム写本に見るベトナム大南阮朝の対外積極策・造船事業と地域社会の疲弊 : チャム回民蜂起の予兆として2023

    • 著者名/発表者名
      新江利彦
    • 雑誌名

      東洋大学アジア文化研究所研究年報

      巻: 57 ページ: 1ー13

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Kayan-Busang Myths and Epics About the Origins of Their Old Religion: Ancient Deities and Ancestors Before the Reign of “Ine:: Aya’/Dipuy"2022

    • 著者名/発表者名
      奥島美夏
    • 雑誌名

      Borneo Research Bulletin

      巻: 52 ページ: 152-209

    • 査読あり
  • [学会発表] マレーシア熱帯林の狩猟採集民展プロジェクト報告:「社会」と繋がるひとつの試み2024

    • 著者名/発表者名
      河合文
    • 学会等名
      トランスカルチャー状況下における分極と共生の解明:アジア・アフリカの人々とともにつくる人文知の「共有」と「対話」のプラットフォーム構築(東京外国語大学AA研)
    • 招待講演
  • [学会発表] 経済変化と家族・親族関係:マレーシアの狩猟採集民バテッを事例に2024

    • 著者名/発表者名
      河合文
    • 学会等名
      社会性の起原と進化:人類学と霊長類学の協働に基づく人類進化理論の新開拓 成果公開シンポジウム,(東京外国語大学AA研)
    • 招待講演
  • [学会発表] 「川筋の遊動民バテッ」からみる共生2023

    • 著者名/発表者名
      河合文
    • 学会等名
      〈人類学カフェ〉「生態人類学は挑む」シリーズを読む:ヒトはなにと共生してきたのか? (紀伊国屋書店)
    • 招待講演
  • [学会発表] 半島マレーシアの狩猟採集民バテッの移動と生業2023

    • 著者名/発表者名
      河合文
    • 学会等名
      民博共同研究 アジアの狩猟採集民の移動と生業:多様な環境適応の人類史 第2回研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] Opening Remarks: Changes in Malaysia and Orang Asli2023

    • 著者名/発表者名
      河合文
    • 学会等名
      Changes in Orang Asli Lives in Malaysia: Engaged Vidual Ethnography
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] ボルネオ島の少数民族はどこから来たのか:カヤン系言語諸族の言語・文化からわかってきたこと2023

    • 著者名/発表者名
      奥島美夏
    • 学会等名
      奈良シニア大学橿原校 一般教養講座
    • 招待講演
  • [学会発表] ボルネオ島少数民族の移住と暮らし:カヤン系言語諸族の事例から2023

    • 著者名/発表者名
      奥島美夏
    • 学会等名
      奈良シニア大学奈良校 一般教養講座
    • 招待講演
  • [学会発表] 博士論文:ラオス中部ラオトゥンのラム歌唱の民族誌ーグローバル状況下にみる五感統合とデジタル化をめぐる身体感覚の現在2022

    • 著者名/発表者名
      平田晶子
    • 学会等名
      東洋音楽学会東日本支部
    • 招待講演
  • [学会発表] ラオス山地民の五感を使った「遊び」ー精霊供養儀礼を事例に2022

    • 著者名/発表者名
      平田晶子
    • 学会等名
      東京外国語大学オープンアカデミー「東南アジアの音楽と芸能を知ろう~大陸部~」
  • [学会発表] Socialization among the Batek in Kelantan, Malaysia: An Aspect of Spatial Use of the Environment2022

    • 著者名/発表者名
      河合文
    • 学会等名
      Conference on Hunting and Gathering Societies, 13th (Dublin, Ireland)
    • 国際学会
  • [学会発表] 非ムスリムからみた「マレー」とイスラーム:半島マレーシアのオラン・アスリを事例として2022

    • 著者名/発表者名
      河合文
    • 学会等名
      AA研共共課題「東南アジアにおけるイスラーム主義と社会・文化要因の相互作用に関する学際的研究―トランスナショナルなネットワークと現地の応答」
    • 招待講演
  • [学会発表] 環境変化下における狩猟採集民の社会構造と人口動態:半島マレーシアのバテッを事例に2022

    • 著者名/発表者名
      河合文
    • 学会等名
      科研基盤(S)社会性の起原と進化:人類学と霊長類学の協働に基づく人類進化理論の新開拓 第14回定例会
    • 招待講演
  • [学会発表] A History of Bateq and Malays in the Lebir Watershed' Roundtable Discussion on Orang Asli Research2022

    • 著者名/発表者名
      河合文
    • 学会等名
      Faculty of Applied Social Sciences, University Sultan Zainal Abidin
    • 招待講演
  • [学会発表] Demographics of the Orang Asli2022

    • 著者名/発表者名
      河合文
    • 学会等名
      Orang Asli Symposium (Orang Asli Archive, Keene State College)
  • [学会発表] 古代インドネシアにおける民族移動と諸王国の萌芽2022

    • 著者名/発表者名
      奥島美夏
    • 学会等名
      天理大学公開講座「地域研究への招待」第4回(奈良新聞社)
  • [学会発表] Relations between Mon-Khmeric and Kayanic dialects: An introduction2022

    • 著者名/発表者名
      奥島美夏
    • 学会等名
      Mini seminar in Dalat University (Lam Dong Province, South Vietnam)
    • 国際学会
  • [学会発表] 言語学から考える映画『森のムラブリ』2022

    • 著者名/発表者名
      伊藤雄馬
    • 学会等名
      アジア映画研究会(第3期第11回/通算第44回)
    • 招待講演
  • [学会発表] ことばとからだのイビピーオ2022

    • 著者名/発表者名
      伊藤雄馬
    • 学会等名
      注文の多いからだの錯覚の研究室展2(電映博2022)
    • 招待講演
  • [図書] 日本語単語スピードマスターADVANCED2800:ネパール語・カンボジア語・ラオス語版2024

    • 著者名/発表者名
      倉品さやか(編)(平田晶子:ラオス語翻訳・校正)
    • 総ページ数
      352
    • 出版者
      Jリサーチ出版
    • ISBN
      4863926081
  • [図書] ラオス山地民とラム歌謡:内戦を生き抜いた宗教・芸能実践の民族誌2023

    • 著者名/発表者名
      平田晶子
    • 総ページ数
      368
    • 出版者
      風響社
    • ISBN
      4894893363
  • [図書] 日本語単語スピードマスターBASIC1800 : ネパール語・カンボジア語・ラオス語版2023

    • 著者名/発表者名
      倉品さやか(編)(平田晶子:ラオス語翻訳・校正)
    • 総ページ数
      308
    • 出版者
      Jリサーチ出版
    • ISBN
      4863925999
  • [図書] イスラーム文化事典2023

    • 著者名/発表者名
      八木久美子(編)(奥島美夏「呪術(東南アジア)」担当)
    • 総ページ数
      714
    • 出版者
      丸善出版
    • ISBN
      4621307665
  • [図書] ムラブリ: 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと2023

    • 著者名/発表者名
      伊藤雄馬
    • 総ページ数
      256
    • 出版者
      集英社インターナショナル

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公開日: 2024-12-25  

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