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2021 年度 実績報告書

オリンピックを契機とした新観光者層指標と観光施設経営ロジックの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20H04437
研究機関横浜市立大学

研究代表者

有馬 貴之  横浜市立大学, 国際教養学部(都市学系), 准教授 (00610966)

研究分担者 秋山 哲男  中央大学, 研究開発機構, 機構教授 (10094252)
稲垣 具志  東京都市大学, 建築都市デザイン学部, 准教授 (20609945)
南 聡一郎  国土交通省国土交通政策研究所, 主任研究官(任期付) (20781917)
丹羽 菜生  中央大学, 研究開発機構, 機構助教 (30792535)
阿毛 香絵  京都精華大学, 人文学部, 講師 (90876351)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードオリンピック / Tokyo2020 / 観光動機 / 観光施設 / ユニバーサル / バリアフリー / パラリンピック
研究実績の概要

2021年度は本研究が対象とするTokyo2020大会が7月から9月の間で開催された年度となった.当初は,COVID-19の影響により,無観客開催となるか,観客を限定して開催するかなど,開催ギリギリまで議論がなされたため,本研究チームもその状況が読めず,各調査の準備も難航した.
最終的に無観客での開催が決定されたため,訪日外国人観光者の調査などの大規模な調査は中止となり,代替として日本人を対象としたウェブアンケートを,Tokyo2020終了後に実施した.また,開催当時は各競技場周辺などを視察し,その様子を確認し,各種メディアによるオリパラ報道の内容を確認して行った.なお,それらの結果はフランスの共同研究者とも情報共有している.
Tokyo2020大会後は,研究者間での情報共有を行いながら,再度Tokyo2020の研究的意義について検討した.その結果,既往研究の研究レビューを再度行い公表すること,事後の人流データを用いた分析,競技場施設のハード面における変化等が今後の本研究のサブテーマとなることが確認された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

前年度までの状況は,そもそもTokyo2020大会が開催されるのかどうか不透明な状況であったため,本年度にオリンピック・パラリンピックが開かれたことで,本研究における社会的な状況は一歩進んだともいえる.しかしながら,依然として当初の研究計画では予測できなかった事態となっていることは否めない.
特にTokyo2020大会が無観客で開催されたことで,本研究の中心であった訪日外国人の観光動機の変化,およびそれに対するTokyo2020の効果は捉えることは大変困難となっている.したがって,本年度は当該研究の目的の大幅な変更を余儀なくされた.そして,変更された研目的を実施する期間自体も短くなり,本年度は研究者間でも研究目的の再設定など大変苦慮した.
一方で,Tokyo2020大会が開催されたことは事実であるし,各種競技は全世界で中継された.終わってみれば「実施して良かった」という日本人も増加したといえる.すなわち,特に日本国民には何かしらの肯定的な意識を与えたということも推察された.このような社会的な状況から,直接的ではないにしろ,間接的にでも,旅行や行動への意識にも影響を与えた可能性がある.そのような効果は,Tokyo2020を通じてみられたメガイベントの効果として認めることもできるのではないだろうか.

今後の研究の推進方策

現在の進捗状況を踏まえ,Tokyo2020が観光に与えた効果をあらためて議論したところ,観光者の側面からは,①現地での人流の変化,特に開会式や閉会式,および聖火台モニュメントのエリア等では変化が起きた可能性,②メディアを通して日本への観光動機の変化が生じた可能性(訪日外国人観光者,国内観光者ともに)があげられた.一方,観光地側の側面からは,①バリアフリーなどの施設面での変化の可能性,②観光施設運営者のユニバーサルな意識の変化の可能性があげられた.これらに関して,2022年度と2023年度では調査と研究を実施していくこととした.また,これらについてもフランス研究者側と情報共有していくことが確認された.

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (10件) (うちオープンアクセス 4件、 査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件)

  • [国際共同研究] Gustave Eiffel University/Fondation France-Japon de l'EHESS(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      Gustave Eiffel University/Fondation France-Japon de l'EHESS
  • [雑誌論文] 大学における学外観光教育と地理学の接点 : 地域の地誌学的理解とその援用2021

    • 著者名/発表者名
      有馬貴之
    • 雑誌名

      新地理

      巻: 69(3) ページ: 139-147

  • [雑誌論文] 福祉のまちづくりの総括2021

    • 著者名/発表者名
      秋山哲男
    • 雑誌名

      福祉のまちづくり研究

      巻: 23(1) ページ: 26-30

    • DOI

      10.18975/jais.23.1_26

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 東日本大震災10年を経て東京地域の災害対策2021

    • 著者名/発表者名
      秋山哲男
    • 雑誌名

      福祉のまちづくり研究

      巻: 23(1) ページ: 12-17

    • DOI

      10.18975/jais.23.1_12

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 日本の国際空港で行われてきた障害当事者参加に見るインクルーシブな設計計画とは2021

    • 著者名/発表者名
      丹羽菜生,丹羽太一,原利明,秋山哲男
    • 雑誌名

      福祉のまちづくり研究

      巻: 23(1) ページ: 36-40

    • DOI

      10.18975/jais.23.1_36

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 空港バリアフリー施策における制度的整備の比較研究2021

    • 著者名/発表者名
      丹羽菜生,丹羽太一,秋山哲男
    • 雑誌名

      日本建築学会計画系論文集

      巻: 86 (784) ページ: 1641-1651

    • DOI

      10.3130/aija.86.1641

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 認知症や発達障害など見えにくい障害者のスムースな移動の実現に関する問題点の明確化と解決策の検証2021

    • 著者名/発表者名
      丹羽菜生
    • 雑誌名

      Kansai空港レビュー

      巻: 516 ページ: 22-29

  • [雑誌論文] モビリティの高度化及び接続改善等による公共交通のサービス改善に関する調査研究 : 2020年度調査研究の概要2021

    • 著者名/発表者名
      竹内龍介,南聡一郎,若林玄,佐藤誠一郎
    • 雑誌名

      国土交通政策研究所紀要

      巻: 79 ページ: 69-87

  • [雑誌論文] 物流分野における高度人材の育成・確保に関する調査研究 : 2019年度~2020年度調査研究の概要2021

    • 著者名/発表者名
      渡邉幹,南聡一郎,前川健
    • 雑誌名

      国土交通政策研究所紀要

      巻: 79 ページ: 89-104

  • [雑誌論文] 日本インフラの「強み」と「オリジナリティ」はどこに? : 求められる将来に向けた『進化』(第33回 No.32)ユーザー志向の公共空間整備の意義 : 視覚障害者誘導用ブロックの発祥国としての責務2021

    • 著者名/発表者名
      稲垣具志
    • 雑誌名

      土木学会誌

      巻: 106(9) ページ: 43-45

  • [雑誌論文] 「みんなの」モビリティ新時代2021

    • 著者名/発表者名
      室町泰徳,稲垣具志,二瓶美里,福岡孝則,村山顕人,外山友里絵
    • 雑誌名

      都市計画

      巻: 2021 ページ: 43-45

  • [学会発表] 大学における学外観光教育と地誌学の接点2021

    • 著者名/発表者名
      有馬貴之
    • 学会等名
      2021年度日本地理学会秋季学術大会
  • [学会発表] Classification of Visiting Sites for International Tourists in Tokyo and Tourist behaviors by Avoidance Attitude: For the Prediction of Behaviors of the Tourists at the Time of the Tokyo 2020 Olympic and Paralympic Games2021

    • 著者名/発表者名
      Arima, T., Minami, S., Niwa N., Inagaki, T. and Akiyama, T.
    • 学会等名
      City, Events, Mega-Events and Tourism
    • 国際学会
  • [学会発表] Roundtable “Events, Mega‐events facing pandemic”2021

    • 著者名/発表者名
      Delaplace, M., Arima, T., Bouldi, M., Gomez, C., Larquet, V., Minami, S. and Morgan, J.
    • 学会等名
      City, Events, Mega-Events and Tourism
    • 国際学会
  • [学会発表] Olympic Games and tourism : an ex ante analysis of arrival intentions ‐ The cases of Tokyo 2020 and Paris 20242021

    • 著者名/発表者名
      Delaplace, M., Moussi-Beylie, F., Alexandra, S., Arima, T., Minami, and Akiyama, T.
    • 学会等名
      City, Events, Mega-Events and Tourism
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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