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2020 年度 実績報告書

観光とコミュニケーションに関わるコンピテンシー評価指標の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20H04441
研究機関成蹊大学

研究代表者

藤田 玲子  成蹊大学, 経営学部, 教授 (90366930)

研究分担者 田中 直子  北星学園大学短期大学部, 短期大学部, 准教授 (20733702)
中井 延美  明海大学, ホスピタリティ・ツーリズム学部, 准教授 (30406384)
森越 京子 (横山京子)  北星学園大学短期大学部, 短期大学部, 教授 (40299730)
綛田 はるみ  横浜商科大学, 商学部, 教授 (40424840)
林 千賀  城西国際大学, 国際人文学部, 教授 (70406776)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードコミュニケーション / 言語教育 / ホスピタリティ / コンピテンシー / 人材育成 / Can-do リスト / 接客
研究実績の概要

2020年度及び新型コロナウィルス感染症により部分的に研究を繰り越した2021年は、観光とコミュニケーションに関わるコンピテンシーを抽出するために、まず、ホテルの従業員を中心にインタビュー調査を行い、ゲスト到着から出発までの流れの中で、重要と考えられるコミュケーションに関わる要素について確認をしてきた。インタビューの文字おこしデータを、質的調査ソフトウエアを利用して分析し、13の重要なポイントをリストにした(藤田・田中2021、田中・藤田2022)。リストには言語以外に、身振り、態度、察し・共感、対応の工夫など、コミュニケーションに関わる様々な要素があった。この13のポイントについて、さらなるインタビューにおいて確認をし、観光現場のコミュニケーションスキルのCandoリスト原案を作成した(綛田・藤田2021)。合わせて、上記の一連のインタビューから、ゲスト対応場面における具体的な言語表現や非言語の要素を場面ごとに整理し、作成した会話表現をさらなるインタビューで確認した(林他2021)。その後、日本人や外国人スタッフが外国語で接客する場合を想定し、その会話の言語レベルを測るために、CEFRの基準を用い、レベル付けを行った。接客場面で必要な外国語レベルはCEFR A2+で、より高いレベルでサービスする場合はB2+までは必要であることが分かった(藤田他2021)。また、英語対応については、外国人スタッフのインタビューから、言語表現や異文化対応に関する重要なポイントを整理した(田中他2022)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究がスタートした2020年は、新型コロナウィルス感染症のため、予定していたインタビュー、参与観察、また対面によるメンバーでの共同作業などが予定通りできなかったため、約半年の遅れとなった。2021年度に挽回を試みるも、引き続く感染症による緊急事態宣言やまん延防止宣言の影響を受け、遅れは部分的に解消するにとどまっている。

今後の研究の推進方策

延期が続いたまま最終年を迎えており、成果をまとめるためにペースを上げて研究を進める。具体的には、年度前半では、①感染症の影響により未実行分のインタビューと参与観察を行う。②未実行分のデータの整理と分析をする:文字化し質的分析(藤田・田中・森越・綛田)及び言語分析(林・綛田・中井)を実施、日本語・英語及び非言語の要素やスキルを抽出する。③作成済の評価リスト原案に必要項目の加筆修正を行い、必要に応じ確認のインタビューを実施し、最終版を完成させる(全員)。この①から③を進めるにあたり、オンラインでは作業効率が悪いため、なるだけ多くの対面会議設定をして作業をすすめる。特に作業が長時間に及ぶ③については、合宿形式での作業会議を持つ。これに並行し、各自が自分の担当分野に関しデータ分析や調査を進め、言語やスキルなど複数の要素別にデータ分析の成果を論文にまとめる。年度後半には、この2年間で得られたデータをもとに評価票を完成させることが最終目標である。完成後は、科研報告会を開催し、その際に簡易報告書を配布できるように準備を進める。並行して国内および海外で学会発表をおこなう。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2022 2021 2020 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うちオープンアクセス 3件、 査読あり 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 宿泊業のゲスト対応場面におけるスキルの抽出-厚生労働省職業能力評価基準表とインタビュー調査データから分かること-2022

    • 著者名/発表者名
      田中直子 藤田玲子
    • 雑誌名

      北星学園大学短期大学部論集

      巻: No19 ページ: 31-38

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 観光の接客場面におけるホスピタリティのコンピテンシー抽出の試み ―コミュニケーションの視座から―2022

    • 著者名/発表者名
      藤田玲子 田中直子
    • 雑誌名

      観光研究 日本観光研究学会機関誌

      巻: Vol.33.No.2 ページ: 1-11

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 接客コミュニケーションにフォーカスしたCAN-DOリスト原案作成 ―ホスピタリティ人材育成のためにー2021

    • 著者名/発表者名
      綛田はるみ、藤田玲子
    • 雑誌名

      日本観光研究学会全国大会学術論文集

      巻: 第36回 ページ: 251-256

  • [雑誌論文] 接客場面の『申し訳ございません』の使用実態―クレーム談話の「謝罪」に着目してー2021

    • 著者名/発表者名
      林千賀
    • 雑誌名

      城西国際大学紀要

      巻: 第29巻第2号 ページ: 75-100

    • オープンアクセス
  • [学会発表] Cultivating hospitality English for human resource development2022

    • 著者名/発表者名
      Tanaka,N., Fujita, R., Morikoshi K., Nakai, N.
    • 学会等名
      56th RELC International Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] 観光言語学への展望:With/Afterコロナ時代の観光ホスピタリティ教育を考える2022

    • 著者名/発表者名
      中井延美
    • 学会等名
      シンポジウム、日本観光ホスピタリティ教育学会 第21回全国大会
  • [学会発表] ホテルフロントの接客コミュニケーションの Can-Do リスト作成プロセス:外国語教育を通じた観光人材育成を視野に入れて2021

    • 著者名/発表者名
      林千賀、綛田 はるみ、中井延美、田中直子、森越京子、藤田玲子
    • 学会等名
      日本観光ホスピタリティ教育学会第20回全国大会
  • [学会発表] ホテル宿泊業務における接客コミュニケーションのCan-doディスクリプターとCEFRレベルの検討2021

    • 著者名/発表者名
      藤田玲子、田中直子、綛田はるみ、森越京子、林千賀、中井延美
    • 学会等名
      日本観光ホスピタリティ教育学会 観光コミュニケーション分科会 第2回研究発表会
  • [学会発表] 接客コミュニケーションにおける二重敬語と敬語連結について2021

    • 著者名/発表者名
      中井延美
    • 学会等名
      日本観光ホスピタリティ教育学会 観光コミュニケーション分科会 第2回研究発表会
  • [学会発表] ホスピタリティ・マネジメントのための接客コミュニケーション・スキルの抽出(1) ―フロントオフィス業務における言語コミュニケーション・スキル―2020

    • 著者名/発表者名
      綛田はるみ、林千賀
    • 学会等名
      日本観光ホスピタリティ教育学会,観光コミュニケーション分科会第1回研究会
  • [学会発表] 接客コミュニケーションのコンピテンシー抽出のための基礎研究:厚生労働省職業能力評価シートとインタビューデータの分析結果の比較2020

    • 著者名/発表者名
      藤田玲子、田中直子
    • 学会等名
      日本観光ホスピタリティ教育学会,観光コミュニケーション分科会第1回研究会
  • [学会発表] 英語の接客場面で敬意標識として機能する文法要素について2020

    • 著者名/発表者名
      中井延美
    • 学会等名
      日本観光ホスピタリティ教育学会 観光コミュニケーション分科会 第1回研究発表会
  • [備考] 成蹊大学 研究紹介

    • URL

      https://www.seikei.ac.jp/university/research/introduction/2021/11542.html

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公開日: 2022-12-28  

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