研究課題
高温超伝導REBCO線材を用いたECRイオン源の開発においては、試作した3個の円形ミラーコイルと6個のレーストラック型六極コイルを組み合わせて3次元的に配置したアセンブリを製作し、液体窒素を用いた77K の低温下での複合同時励磁試験を実施した。3個のミラーコイルを直列に接続した状態で最大140A程度まで、6個の六極コイルも直列に接続した状態で最大70A程度まで通電し、片方のコイルが励磁された状態でもう一方のコイルを励磁してもお互いに干渉し合うことはなく、超伝導性能が維持されること、励磁・減磁を繰り返す耐久試験においても超伝導性能が劣化することなく優れた健全性及び再現性を実現できることを実証した。負イオン源開発においては、加速電圧30kVで3.8mAの重水素負イオンビームをイオン源から取り出してAVFサイクロトロンへ入射させ、半径155mmの位置で100μAの負イオン加速ビームを確認した。さらにグラフェン製の荷電変換フォイルによりサイクロトロンから重陽子ビームを取り出すことにより、25MeVの重陽子ビームを最大50μAのビーム電流で取り出すことに成功した。ビーム引出系の開発においては、既存のスイッチング電磁石を用いてストリッパーフォイルによる4He1+から4He2+への荷電変換試験を実施し、荷電変換フォイルの耐久性を高める手法を明らかにした。エネルギー効率向上の開発では、分離セクター電磁石の間に超伝導共振空洞を配置し、共振空洞表面の高温超伝導材MgB2の厚さを1μm以上確保し、分離セクター電磁石からの漏洩磁束の侵入長を50nm程度に抑制できれば共振空洞を18Kまで冷却することによってサイクロトロンでも超伝導加速空洞が実現しうることを世界で初めて見出した。また、分離セクター電磁石の磁極端部に永久磁石を配置することによって共振空洞への漏洩磁束を最小化する新たな手法も考案した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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