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2020 年度 実績報告書

量子液滴ビームを駆使したナノ水素超流動相の微視的探索

研究課題

研究課題/領域番号 20H04464
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

久間 晋  国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 専任研究員 (50600045)

研究分担者 三浦 伸一  金沢大学, 数物科学系, 教授 (10282865)
中野 祐司  立教大学, 理学部, 准教授 (20586036)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードヘリウム液滴 / 超流動水素
研究実績の概要

本研究では、Ginzburgらにより予言された水素超流動相を実現するために、温度0.4Kのヘリウム液滴からなる量子液滴ビーム中にナノ水素凝縮体を生成し、微視的スケールでその量子物性に迫ることを目的とする。ナノ水素凝集体が示す液体性そして超流動性を、水素及び内包分子をプローブとするレーザー分光法を駆使し微視的なナノスケールから巨視スケールに近いミクロンサイズまでの幅広いサイズ領域で明らかにする。微視的スケールを超えて巨視的スケールでの超流動水素の実現可能性を見極めるための土台となる。
本年度はまず、1) 低温パルスノズルから直接噴出した水素ガスにより生成される巨大水素クラスターの性質を、クラスタービーム速度測定と内包分子のスペクトル測定により明らかにした。特に、生成したクラスターはヘリウム液滴温度0.4Kまでは冷却されていないまでも、バルク凝固点13.8Kより遥かに低い5K以下の温度にあることが推察された。さらにこのクラスターが液体の性質を持つことをスペクトル測定により明らかにした。この結果を液滴サイズ10^5の巨大水素クラスターにおいて見出したことは、巨視的スケールでの物性との関連を調べる上で意義が大きい。2) 高強度ヘリウム液滴パルスビームを生成するためのパルスノズル及び液滴生成チャンバーを整備した。3) 量子モンテカルロ法に基づく水素分子の超流動シミュレーションを実施するためのプログラムコードのアップデートを実施した。
これらの研究を、研究代表者を中心に2名の研究分担者と共に遂行した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

巨大水素クラスターがバルク凝固点より十分低い温度で液体性を持つ可能性を明らかにした点は、大きな進展である。その他、高強度ビームの生成や理論的サポートの面でも順調な進展である。

今後の研究の推進方策

本年度の成果を発展させ、ヘリウム液滴温度での液体性及び超流動性の検証を進める。さらに実験装置の高精度を進めるとともに分子動力学シミュレーションによる液体性及び超流動性の解明を行う。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)

  • [国際共同研究] University of British Columbia(カナダ)

    • 国名
      カナダ
    • 外国機関名
      University of British Columbia
  • [学会発表] Molecular approach to superfluid nano clusters2020

    • 著者名/発表者名
      久間晋
    • 学会等名
      第5回クラスター階層領域研究会,
    • 招待講演
  • [学会発表] 超流動ヘリウム液滴による冷却アニリンイオンの生成2020

    • 著者名/発表者名
      井口有紗
    • 学会等名
      原子衝突学会第45回年会
    • 招待講演
  • [学会発表] 極低温ヘリウム液滴中の芳香族分子イオンの生成2020

    • 著者名/発表者名
      井口有紗
    • 学会等名
      日本物理学会2020年秋季大会

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公開日: 2021-12-27  

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