研究課題/領域番号 |
20H04465
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
河地 有木 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 放射線生物応用研究部, 上席研究員(定常) (70414521)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | RIイメージング / コンプトンカメラ / 植物栄養動態 |
研究実績の概要 |
植物が生きたままで追跡できる元素種をいかにして増やすのか、一つの植物個体の中で拮抗する複数の元素をいかにして同時に追跡するのか、を実現するには検出可能なガンマ線エネルギー幅を広く持つことができ、かつ、複数のエネルギーウィンドウ設定で複数の放射背同位元素をイメージングできる、植物RIイメージング用のコンプトンカメラの開発がカギとなると考えた。このコンプトンカメラは、1回の放射線の検出あたりの情報量が大きいため、迅速なデータ転送が可能な計数回路の開発がネックとなる。植物RI実験で使用する放射能量から逆算して、十分に高速な放射線計数回路を用い、コンプトンカメラの計数率特性を設定した。半導体型光電子増倍管は温度依存性が高いため、植物実験で必須となる高温多湿環境下でも安定して計測できるよう、温度補償回路を組み込んだ。検出したコンプトンイベントを画像化するソフトウェアについては、定量性重視のアルゴリズムに放射線の散乱・吸収等の補正項を加えて定量性を高め、植物研究用に開発する。300 keV以下はガンマカメラが、それ以上をコンプトンカメラに担当させることを想定し、シンチレータの厚みを最適化した。複数元素のイメージング解析プログラムは、既存ソフトウェアの延長となるよう、ユーザビリティを工夫する。実際に複数元素同時撮像をコンプトンカメラで実施した。次年度以降、画像データから元素動態を解析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コンプトンカメラを始め、ライブオートラを実現する装置開発も順調に進んでいる。それぞれのイメージング装置に対して、デモンストレータとしての植物RIイメージング実験を計画、実施に移してきている。
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今後の研究の推進方策 |
よりわかりやすいデモンストレーション実験のデザインに力を入れ、植物RIイメージング実験の遂行とデータ解析を進めていきたい。
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