研究実績の概要 |
令和4年度は、ゲームが実社会の行動や持続可能性への意識に及ぼす影響を明らかにするため、稲作シミュレーションゲーム「天穂のサクナヒメ」のユーザーに対するオンラインアンケート調査について原著論文を執筆し投稿した(Takeshi Nishimura, Junko Taguchi, Terukazu Kumazawa, and Kengo Hayashi, Virtual Play and Real Connections: Unpacking the Impact of Rice Farming Simulation Video Games, Frontiers in Computer Science - Human-Media Interactionにて査読中)。 また、岐阜県郡上市石徹白地区において、地域で失われつつある民具「かんじき」を地域の子どもたちと共に再生するプロジェクト型学習の開発を進めた。成果物として、石徹白地区地域づくり協議会の協力のもと、地域住民のかんじきにまつわる記憶を聞き書きとして収集し、6編にわたる原稿にまとめた。これらの聞き書き原稿は、石徹白地区で集められた他の聞き書き原稿とともに『いとしろ聞き書き集』として出版される予定である。本プロジェクトではゲームの直接的利用はなかったものの、熱中できる遊びを通した子どもたちと地域との接点の形成過程や、信頼する大人の介入の可能性について検討した。 成果のまとめとして、上記および過去の「マインクラフト」を用いた取り組みを通して、ゲーミフィケーションや身近なテクノロジーを使った地域・まち教育を総括し、地域・まち教育の実績を多く有するシカゴ建築センターとイリノイ工科大学建築学部との国際共同研究集会を実施した。また、日本で地域・まち教育の理解を促すために作成された絵本『ほしとぼくらがすむところ』を英訳し公開した。
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