研究課題/領域番号 |
20H04476
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
矢入 郁子 上智大学, 理工学部, 准教授 (10358880)
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研究分担者 |
横田 悠右 国立研究開発法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター脳情報工学研究室, 研究員 (10710593)
平田 均 上智大学, 理工学部, 助教 (20266076)
森 武俊 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任教授 (20272586)
岩澤 有祐 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任助教 (70808336)
塩瀬 隆之 京都大学, 総合博物館, 准教授 (90332759)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | コラボレーション / 脳波計測 / 機械学習 / AI / IoT |
研究実績の概要 |
本研究は,AIによる様々な職業の代替の予想がなされるなか,AIによる代替が困難な真に人間らしい活動として注目が高まっている職場/教育現場/家庭等でのクリエイティブなコラボレーションに焦点を当て,人間同士のコラボレーションの質を高める方法を明らかにすることを目的としています.超少子高齢社会に突入する日本では,社会のあらゆる場面での生産性の向上が重要な社会的課題であり,本研究はその課題解決のために,従来技術では支援困難な人間同士の協働・協調による創造的活動を,IoTセンサ,脳波計測や機械学習による人間行動の分析・可視化などの最新技術を駆使して支援することを目指しています.本研究は期間内に,(1)問題解決,アイデアの具体化,学習などのクリエイティブなミッション下に置かれた人々の実際のコラボレーションを,IoTセンサ,脳波計測や機械学習による人間行動の分析・可視化などの最新技術を応用して定量的に分析すること,(2)分析結果をもとに,人々のつながりと動機の強さに着目して,コラボレーションの成否メカニズムを数理的に解明すること,(3)コラボレーション参加者への状況の可視化・提示および介入方法も含めた,コラボレーション支援のための人間中心設計手法の提案と評価,の3つを行う予定です.初年度の2020年度は以下を行いました. (1)脳波計を用いた集中度測定結果を教師とした体動からの集中度推定の可能性検討のための基礎データ収集,脳波計を用いた音声雑音に強い集中度測定手法の開発,脳波計を用いた感情推定手法の開発 (2)人間行動計測データ,DNAビッグデータを例とした,データ分析におけるコラボレーションの実施と分析 (3)VRを用いたデータ分析におけるコラボレーション支援システムの検討とプロトタイプの実装・評価
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度である2020年度は当初,(1)しぐさ/表情/体の動き,会話量・内容解析,心拍計によるストレス解析,心理尺度,脳波計による集中度解析などの計測手法,計測データの機械学習による分類・可視化手法の基礎を確立するとともに,(2)代表者のこれまでの研究で得られたコラボレーションの分析データに基づく会話量・集中度・得点などを根拠にコラボレーションにおけるつながり・動機の強さの本質的意義を考察し,コラボレーションの成否メカニズムのシステム的・数理的表現を検討し,(3)コラボレーション支援の人間中心設計手法仮説としてのコラボレーション状況可視化と提示・介入方法の基礎を検討し,仮説に基づくコラボレーション支援実験の実施と評価を行うことを目標としていました.前術した研究実績はこれらの計画を概ね満たしており,順調な進捗状況であると考えられます.
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今後の研究の推進方策 |
本研究は,十分な人数での人間を対象とした調査・実験の実施が重要であるため,コロナ禍のどのような状況においても継続的に調査・実験可能な方法,内容,対象となるよう引き続き工夫をかさねる予定です.
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