研究課題/領域番号 |
20H04479
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小泉 公乃 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (70567461)
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研究分担者 |
吉田 右子 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (30292569)
池内 淳 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (80338607)
松林 麻実子 筑波大学, 図書館情報メディア系, 講師 (10359581)
和気 尚美 三重大学, 地域人材教育開発機構, 助教 (80799742)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 公共図書館 / 社会的分断 / 社会的包摂 / 国際比較研究 / 政策分析 / 歴史研究 / 北欧 / アメリカ |
研究実績の概要 |
2020年度は、5つの研究のうち、予定していた3つの研究を主軸に実施した。①包括的文献レビューについては、図書館情報学関連抄録データベースのLISAとLISTAを活用し、文献の収集と整理をした。収集した文献を基礎に、海外の共同研究者と複数回の打合せをおこなった。 ②図書館政策の分析に関しては、アメリカと北欧各国の図書館政策に関連するデータをオンライン上で収集し、各国の図書館政策を比較分析するための枠組みを検討した。 ③先進的な図書館を対象とした詳細な事例分析は2つのアプローチから実施している。(1)新型コロナウイルス感染症の影響により、オンラインでのイベントやプログラムが強化されたことから、既にパイロット調査としておこなっており、かつ先行的に着手可能な社会的分断を克服するためのイベントやプログラムに関する網羅的なデータの収集と分析を実施した。分析の対象は、ニューヨーク公共図書館(アメリカ)、ヘルシンキ中央図書館オーディ(フィンランド)、オスロ中央図書館(ノルウェー)である。この成果は、国内外の学会にて発表をおこなった。 (2)2つ目のアプローチは、現代において卓越した図書館がいかに変貌してきたかを歴史研究から解明することである。本年度の分析対象は、主にニューヨーク公共図書館とオスロ中央図書館であり、海外の共同研究者と協力しながら、オンライン上の資料とアーカイブされた一次資料を収集し、質的内容分析ソフトウェアを活用し整理した。 そのほか、包括的文献レビューや政策分析で収集した資料などから明らかになってきたことを実務家向けの雑誌や講演で発表することで、日本に拡く公開した。また、図書館情報学において多くの専門家が参加する国際会議のiConferenceに参加することで、情報収集をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響で、特に海外の共同研究者の研究環境も整わないことから、研究の開始時期が半年程度遅れた。また、当初予定していた先進図書館を対象にした歴史研究と詳細な事例分析については、海外渡航ができないことから、2021年度以降に後ろ倒しした。 ただ、新型コロナウイルス感染症の影響で各図書館がオンラインでのサービスを強化していることから、先行的に実施できるイベント分析を優先して実施した。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の影響で遅れている海外の先進図書館を対象とした歴史研究と事例分析については、国際的にワクチン接種が進み、渡航が可能となった場合に、本年度の後半に実施する。そのほか、包括的文献レビューと政策分析については、海外の共同研究者の状況も整ってきたことから、オンラインの打合せに主軸を移し、本年度中に完了する。
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