研究課題/領域番号 |
20H04485
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
阪田 真己子 同志社大学, 文化情報学部, 教授 (10352551)
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研究分担者 |
正田 悠 神戸大学, 国際文化学研究科, 助教 (00724361)
鹿内 菜穂 亜細亜大学, 経営学部, 講師 (20706816)
原 尚幸 同志社大学, 文化情報学部, 教授 (40312988)
波多野 賢治 同志社大学, 文化情報学部, 教授 (80314532)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 伝統芸能 / ビッグデータ / モーションキャプチャ / 動作解析 / 無形文化財 |
研究実績の概要 |
2020年度は、大きく「既存データの統合とデータベース化」「コンテンポラル・アーカイブ」「ヒストリカル・アーカイブ」の3つの作業を予定していた。 「既存データの統合とデータベース化」は、これまで応募者らが蓄積してきたデータの整理、統合作業とともに、分析方法の検討を行った。例えば、動作計測手法の中でもモーションキャプチャは、計測者によって、サンプリングレートやマーカ数、貼付位置などが異なっており、それらをどのように統合すれば標準化が可能であるかについて検討を行った。 「コンテンポラル・アーカイブ」では、あらたに様々なジャンルの伝統芸能データの取得を予定していたが、コロナ感染拡大により、当初予定した芸能の一部の収録しか行えなかった。よさこい動作についてはモーションキャプチャを用いた様々な演目の収録(2名)を行った。日本舞踊については、日本舞踊家、衣裳、かつら師、顔師、地方といった関係者による場の生成を記録するための収録(ビデオ収録)を行った。 「ヒストリカル・アーカイブ」では、まずは映像から動作情報を抽出するための基礎的検証を行った。映像で収録された基礎動作(歩行)からOpenPoseを用いて2次元座標を抽出し、それがモーションキャプチャを用いて計測したデータとどの程度齟齬があるかを比較し、測定精度の検証を行った。モーションキャプチャと比較すると誤差は大きいものの、おおよその動作特徴を比較分析するツールとしてOpenPoseは有効であるとの結果が得られた。 コロナ感染拡大により、当初予定していた収録事業そのものは縮小を余儀なくされたものの、事業全体についてはスタートを切ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナの影響により、当初予定していた芸能従事者の動作計測の一部が行えなかった。また、コロナの影響で実施者の本務校業務が膨れ上がり、当初予定していたメンバー間の打ち合わせの機会を十分に確保することが困難であった。ただし、オンライン会議やメール等を通じて、これまで収録したデータの整理、分析、ビッグデータシステムへの実装検討作業や動作分析の方法等の議論を行い、本事業全体は進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、コロナ感染拡大の影響により当初予定していた芸能従事者(高齢者層)に対する動作計測が予定通り行えなかったが、今後もコロナの影響により、動作計測の実施が困難となる可能性が考えられる。したがって、計測の対象から高齢者をはずすことや、モーションキャプチャのような接触型の計測ではなく、ビデオ収録による記録にするなど、情勢を見ながら計測方法の調整を行う予定である。 前年度はOpenPoseを用いた非接触型の手法により動作抽出をする方法論の検証を行い、その有効性が確かめられたため、今後は、映像収録による舞踊の収録、解析を行い、その分析結果を随時公開していく予定である。 また、ビッグデータシステムへの実装については分担者との連絡調整を頻繁に行い、データの共有、分析方法について活発に議論を行っていく予定である。とりあえず、動作解析、データ格納については、分担者である原(統計科学)、波多野(データ科学)との密な連携により、ビッグデータシステムのイメージ等について検討を行っていく予定である。
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