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2022 年度 実績報告書

計算モデリングに基づく抽象概念形成における言語の役割とその認知機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20H04488
研究機関電気通信大学

研究代表者

内海 彰  電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (30251664)

研究分担者 猪原 敬介  北里大学, 一般教育部, 講師 (10733967)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード抽象概念 / 記号接地 / 単語ベクトル / 言語 / ニューラル言語処理 / 間接的接地
研究実績の概要

2022年度は、以下の研究を実施した。
(1) 単語ベクトル(言語経験)と画像ベクトル(身体経験)を用いた抽象概念の間接的接地の計算モデルの有効性を体系的に示し、その結果からどのような種類の抽象概念に間接的接地が有効なのかを明らかにした。この結果は、Frontiers in Psychology に学術論文として掲載された。
(2) 抽象概念の間接的接地の妥当性をさらに検証するために、前年度に引き続いてヒトを対象とした心理実験を行った。心理実験では、直接的接地と間接的接地に対応する画像をプライム刺激、抽象概念を表す抽象語をターゲット刺激としたプライミング実験を行い、抽象度の高いターゲットでは有意なプライミング効果が得られるが、抽象概念の中でも比較的抽象度の低いターゲットでは有意なプライミング効果は得られなかった。
(3) 上記の結果を反映するように、(1)の間接的接地の計算モデルの改良を検討した。
(4) 日本語に対する計算モデルによる実験を行うためのデータセットとして、前年度に引き続いてクラウドソーシングを用いて日本語単語属性データの収集を行った。その結果、538単語(名詞435語、動詞64語、形容詞39語)x40属性から成るデータセットを構築した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

抽象概念の間接的接地という考え方そのものの有効性を計算モデルに示すことはできたが、間接的接地に関して心理実験で得られた結果を計算モデルに反映させる部分にやや苦心している。また、日本語単語属性のデータセットの収集が遅れたため、日本語による間接的接地モデルの検討が遅れている。

今後の研究の推進方策

次年度は、以下の課題を推進していきたい。
(1) 日本語における抽象概念の間接的接地の有効性の検証や、日本語に固有のメカニズムの検討
(2) Transformer ネットワークに基づく事前学習済モデルや大規模言語モデルに内在する概念知識の解明や、それに基づく間接的接地モデルの再検討

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] A test of indirect grounding of abstract concepts using multimodal distributional semantics2022

    • 著者名/発表者名
      Akira Utsumi
    • 雑誌名

      Frontiers in Psychology

      巻: 13 ページ: 906181

    • DOI

      10.3389/fpsyg.2022.906181

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2024-12-25  

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