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2022 年度 実績報告書

高精細電気計測による疼痛情報発生の細胞内メカニズム解明

研究課題

研究課題/領域番号 20H04498
研究機関東京大学

研究代表者

榛葉 健太  東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (80792655)

研究分担者 高山 祐三  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (60608438)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード軸索 / 疼痛 / 電気計測 / マイクロ加工
研究実績の概要

最終年度である本年度は,痛みの閾値が低下する現象である感作状態を評価するための実験を行った.計測を効率よく行うために実験条件を工夫し,同時に複数の感覚神経細胞から薬理応答を計測することに成功した.結果,カプサイシンに対する応答が上昇する現象を計測できた.以下に,効率的な計測のための実験手順,および得られた感作状態について詳細を述べる.

感作状態を効率よく計測するためには,同時に多数の感覚神経細胞から信号を計測する必要がある.計測装置の特性上,26,000点の電極から1,000点程度を選定する必要がある.通常,全電極を走査的に計測して電極を選択するが,感覚神経細胞は持続的な発火を示さないため,電極の選択が難しい.そこで,神経細胞特異的に取り込まれる蛍光色素NeuOを取り込ませた.蛍光観察した結果を基に電極を配置したところ,従来手法と比較して5倍程度の神経細胞から活動を計測できた.

感作状態では,各種の刺激に対する応答の閾値が低下する.培養系で感作状態を模擬するために,先行研究を参考に,substance Pによってカプサイシンの受容体であるTRPV1の感受性を上昇させた.結果,substance Pによりカプサイシンに対する応答の数が20%上昇した.また,substance P受容体(NK1R)の阻害剤(アプレピタント)の添加により,感受性の上昇は阻害された.以上から,substance PがNK1Rを介してTRPV1の感受性を上昇させたことが示された.配置した電極のうち32%の電極から感受性の上昇を計測できた.また,計測後の細胞を染色した結果,TRPV1とNK1Rを共発現した細胞のうち28%で感受性の上昇が計測された.以上から,本計測システムを用いることで,感覚神経細胞の感作状態を,先行研究と比較して高い効率で計測できることが示唆された.

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 電気活動計測を用いた培養感覚神経細胞に対する感作性評価手法の開発2023

    • 著者名/発表者名
      宮原優希,榛葉健太,小谷潔,神保泰彦
    • 雑誌名

      電気学会論文誌C

      巻: 143 ページ: 641-648

    • DOI

      10.1541/ieejeiss.143.641

    • 査読あり
  • [学会発表] 高密度微小電極アレイを用いた培養脊髄スライスのネットワーク特性評価2024

    • 著者名/発表者名
      宮原優希,榛葉健太,小谷潔,神保泰彦
    • 学会等名
      令和4年電気学会 医用・生体工学研究会
  • [学会発表] 分散培養系における細胞外電位からの閾値下情報抽出法の検討2023

    • 著者名/発表者名
      小林透己,朝比奈昂洋,古川拓磨,張智翔,榛葉健太,小谷潔,神保泰彦
    • 学会等名
      2022年 電気学会 電子・情報・システム部門大会
  • [学会発表] 培養系における末梢性感作の誘発と感覚神経軸索からの活動測定手法の開発2023

    • 著者名/発表者名
      宮原優希,榛葉健太,小谷潔,神保泰彦
    • 学会等名
      2022年 電気学会 電子・情報・システム部門大会
  • [学会発表] High resolution spatiotemporal evaluation of rat sensory axons2023

    • 著者名/発表者名
      Kenta Shimba
    • 学会等名
      2nd In-Vitro 2D & 3D Neuronal Networks Summit
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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