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2020 年度 実績報告書

Feature trackingへの応用を目指したtagging MRIの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20H04501
研究機関京都大学

研究代表者

松田 哲也  京都大学, 情報学研究科, 教授 (00209561)

研究分担者 今井 宏彦  京都大学, 情報学研究科, 助教 (40506466)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードMRI / feature tracking / cine MRI / タギングMRI
研究実績の概要

近年の心臓血管領域のMRIで注目されているfeature tracking法は解析の簡便性という大きな長所を持つものの、得られるストレイン値は心内/外膜面の輪郭における各点の絶対的な位置ではなく輪郭線の変位に基づいて推定した値であるため、その信頼性は原理的にtagging MRI法より劣っている。そこで、本研究では、心筋局所の絶対的な変位を計測可能なtagging MRIの長所をfeature tracking法に適用し、その信頼性を向上させることを目的とする。具体的には、feature tracking法における解析の自動化という長所を失うこと無く、tagging MRIによる変位計測を利用できるようなtag patternをデザインし、これによって得られる局所ストレイン値の精度を検証することが本研究のゴールとなる。
研究開発は、1)feature trackingに適したtag patternの選定、2)2次元tag patternのMRI撮像パルスシーケンスへの実装、3)feature trackingに適用することにより得られたストレイン値の検証、という3つの研究項目に分けて実施しており、研究初年度にあたる令和2年度には、まず研究項目1)、2)について研究代表者、研究分担者がそれぞれ独立に担当して研究に着手した。tag patternの形状や配置と画像に現れる歪みとの関係についてコンピュータシミュレーションを行い、tag patternの複雑さや配置の方向などが歪みの程度に関与することを明らかとなった。次いで、tag pattern候補を小動物用MRIシステムに実装し撮像実験にも着手したが、用いるtag patternによっては大きな歪みが生じたり、輪郭が不鮮明となる場合があり、研究代表者、分担者が連携してその要因に関する検討を開始している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、具体的な研究内容として、1)feature trackingに適したtag patternの選定、2)2次元tag patternのMRI撮像パルスシーケンスへの実装、3)feature trackingに適用することにより得られたストレイン値の検証、という3つの研究項目に分けて研究を進める計画を立案しており、当初より研究項目1)、2)の開発がある程度まで進んだ段階から取り組むべき課題である研究項目3)は、最終年度の実施を予定していた。
研究初年度の令和2年度は、研究項目1)、2)について、各研究項目の問題点や課題が明らかとなるよう独立のテーマとして研究を進め、tag patternの形状や配置と画像に現れる歪みとの関係についての知見を得るとともに、MRI撮像パルスシーケンスへ実装したtag patternを用いた実際の撮像実験にも着手し、概ね当初の計画通りに進捗している。
以上より、おおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

研究の2年目にあたる令和3年度には、既に初年度より開始している小動物用MRIシステムを用いた撮像実験を引き続き実施し、実際のMRI画像においてtag patternの歪みや不鮮明な輪郭が生じる要因に関する検討を行う予定である。得られたMRI画像に生じる歪みなどについて、設定したtag patternとの差異を評価し、研究項目1)における2次元tag patternのコンピュータシミュレーションにフィードバックすることによって改良を試みる。
これまでに2次元のtag pattern配列において縦軸、横軸方向の広がりが異なる場合には、より大きく広がるtag patternの長軸方向の配置によって歪みが変化するなど、今後の改良に向けた課題が明らかになりつつあり、まず高精細なtag patternの実現を追求する。次いで、feature trackingにおける心内/外膜面の自動認識に大きな影響を与えないtag patternとなるよう改良を進める。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 4件)

  • [雑誌論文] Statistical deformation reconstruction using multi-organ shape features for pancreatic cancer localization2021

    • 著者名/発表者名
      Nakao Megumi、Nakamura Mitsuhiro、Mizowaki Takashi、Matsuda Tetsuya
    • 雑誌名

      Medical Image Analysis

      巻: 67 ページ: 101829~101829

    • DOI

      10.1016/j.media.2020.101829

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Photoacoustic in vivo 3D imaging of tumor using a highly tumor-targeting probe under high-threshold conditions2020

    • 著者名/発表者名
      Yamada Hisatsugu、Matsumoto Natsuki、Komaki Takanori、Konishi Hiroaki、Kimura Yu、Son Aoi、Imai Hirohiko、Matsuda Tetsuya、Aoyama Yasuhiro、Kondo Teruyuki
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 10 ページ: 19363~19363

    • DOI

      10.1038/s41598-020-76281-1

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Regularized Three-Dimensional Generative Adversarial Nets for Unsupervised Metal Artifact Reduction in Head and Neck CT Images2020

    • 著者名/発表者名
      Nakao Megumi、Imanishi Keiho、Ueda Nobuhiro、Imai Yuichiro、Kirita Tadaaki、Matsuda Tetsuya
    • 雑誌名

      IEEE Access

      巻: 8 ページ: 109453~109465

    • DOI

      10.1109/ACCESS.2020.3002090

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Enumerated sparse extraction of important surgical planning features for mandibular reconstruction2020

    • 著者名/発表者名
      Kazuki Nagai, Megumi Nakao, Nobuhiro Ueda, Yuichiro Imai, Tadaaki Kirita, Tetsuya Matsuda
    • 学会等名
      42nd Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine & Biology Society (EMBC)
    • 国際学会
  • [学会発表] Deep Learning Based Lung Region Segmentation with Data Preprocessing by Generative Adversarial Nets2020

    • 著者名/発表者名
      Jumpei Nitta, Megumi Nakao, Keiho Imanishi, Tetsuya Matsuda
    • 学会等名
      42nd Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine & Biology Society (EMBC)
    • 国際学会
  • [学会発表] X-ray2Shape: Reconstruction of 3D Liver Shape from a Single 2D Projection Image2020

    • 著者名/発表者名
      Fei Tong, Megumi Nakao, Shuqiong Wu, Mitsuhiro Nakamura, Tetsuya Matsuda
    • 学会等名
      42nd Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine & Biology Society (EMBC)
    • 国際学会
  • [学会発表] Model-based registration for pneumothorax deformation analysis using intraoperative cone-beam CT images2020

    • 著者名/発表者名
      Hinako Maekawa, Megumi Nakao, Katsutaka Mineura, Toyofumi F. Chen-Yoshikawa, Tetsuya Matsuda
    • 学会等名
      42nd Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine & Biology Society (EMBC)
    • 国際学会

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公開日: 2021-12-27  

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