研究課題/領域番号 |
20H04515
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
城 潤一郎 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 助教 (60511243)
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研究分担者 |
山下 潤 京都大学, iPS細胞研究所, 教授 (50335288)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | モレキュラービーコン / 生物機能検出 / 3次元組織 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、構築した3次元組織中の細胞の動態と機能を組織を生かしたままで連続的に見る、「3次元組織の動態・機能イメージング技術」を開発することである。本研究では、3次元ヒト心筋組織の成熟化刺激に対する動態・機能イメージング技術を開発し、その有効性を評価する。本研究を着実に遂行するため、3つの研究項目(①モレキュラービーコン(MB)の設計、②MBデリバリーの検討、および③3次元ヒト心筋組織に対する動態・機能イメージング)を設定した。今年度は、研究項目①および②を実施した。 研究項目①では、3次元ヒト心筋組織を構成するヒトiPS細胞由来心筋細胞および間葉系細胞を機能的に特徴づけるmRNAを検出するMBをソフトウエアを用いて設計した。設計したMBに対して相補的なDNAを用いて、MBの配列特異性を試験管レベルで確認した。 研究項目②では、カチオン化ゼラチンナノ粒子を用いた各細胞あるいは細胞シートへのMB取り込み挙動を調べた。モデル細胞としてシート形成能をもつマウス骨芽細胞様細胞株(MC3T3-E1)を、モデルMBとして細胞内で常発現するグルセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)のmRNAに対して配列特異的に蛍光発光するMB用いた。MB内包カチオン化ゼラチンナノ粒子を添加すると、細胞、細胞シートともに一様な蛍光を発光したことから、カチオン化ゼラチンナノ粒子は、MBのデリバリー担体として有用であることがわかった。現在、ヒトiPS細胞由来心筋細胞および間葉系細胞に対するMBのデリバリー能およびMBの細胞内mRNA検出能について検討しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、研究項目①および②を実施できているため、本研究課題はおおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究遂行において、設計したモレキュラービーコンの細胞内mRNA検出能が重要な鍵を握ると考えている。設計したモレキュラービーコンが試験管レベルで特異的に検出できても、細胞内でうまく検出できないことが起こりうる。そのため、今後は複数のモレキュラービーコンを設計、合成することで、細胞内でもmRNAを検出できるようなモレキュラービーコンを効率的に入手できるように努める。
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