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2023 年度 実績報告書

軟らかく分裂能の高い心筋細胞による革新的心筋再生戦略の創出

研究課題

研究課題/領域番号 20H04521
研究機関川崎医科大学

研究代表者

橋本 謙  川崎医科大学, 医学部, 准教授 (80341080)

研究分担者 毛利 聡  川崎医科大学, 医学部, 教授 (00294413)
花島 章  川崎医科大学, 医学部, 講師 (70572981)
氏原 嘉洋  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80610021)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード心筋細胞 / 分裂 / 分化 / 再生 / 酸素環境 / Fam64a / Novex-3 / APC/C
研究実績の概要

本研究では、低酸素下にある胎生期心筋の分裂を促進する三つの遺伝子[Fam64a, Novex-3, APC/C]を用いた成体心筋の再生を目指している。本年度は主としてNovex-3の分子作用機序についてKOマウスを用いて検討した。Novex-3は筋サルコメアに局在する巨大蛋白コネクチンのshort isoformであるが、その生理機能は長らく未知であった。胎生期心筋を用いた解析では、Novex-3が心筋のサルコメアだけでなく核膜全域に渡って斑点状に局在し、これらの一部が更にspot状に集積し、細胞分裂に必要且つ微小管形成中心を成す中心体の構成蛋白(gamma-tubulin, PCM-1, PCNT, AKAP9)と共局在し、これらの核への移行を阻害することで中心体機能を正常に維持し、結果として分裂能を維持していることが示唆された。出生後にNovex-3が核から消失するとこの阻害がなくなり、中心体と微小管形成中心が核周囲に移行することで中心体機能が喪失し、分裂が停止する。Novex-3 KOマウスでは胎生期において既にこの移行が起こり、胎生中期[妊娠13日目]には心筋細胞の分裂阻害が認められた。また、核周囲に微小管が異常に蓄積することで、心筋核は野生型に比べて硬く、細胞内の端部に偏った異常な配置を示した。新生児期には、上記の分裂阻害を代償する為、個々の心筋サイズが増大し、同時に分化不全の兆候が認められた。更に、加齢と共に心筋収縮不全、Ca調節機構の破綻が起こり、高齢期には左室拡張、壁厚減少、心不全を呈し、生存率が有意に低下した。以上の知見は、再生能を失った成体期心筋に核型Novex-3を導入発現させることで、正常な中心体を復元し、軟らかく分裂能の高い心筋を創出する再生戦略を進める基盤となり得るものである。

現在までの達成度 (段落)

令和5年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和5年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Comparative analysis of ventricular stiffness across species2024

    • 著者名/発表者名
      Yuu Usui, Akira Hanashima, Ken Hashimoto, Misaki Kimoto, Momoko Ohira, Satoshi Mohri
    • 雑誌名

      Physiol Rep

      巻: 12(8) ページ: e16013

    • DOI

      10.14814/phy2.16013.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Nuclear connectin novex-3 contributes to fetal cardiomyocyte proliferation by softening nuclei.2024

    • 著者名/発表者名
      Ken Hashimoto
    • 学会等名
      第 101 回日本生理学会大会
  • [備考] 川崎医科大学 生理学1教室 オリジナルホームページ

    • URL

      https://physiology1kawasak.wixsite.com/website-2

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公開日: 2024-12-25  

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