ボロン酸リガンドの重要な利点の一つに、シアリル化に依存する複数タイプのがん幹細胞エピトープを並列的に標的可能なことが挙げられ、事実このような複数エピトープの発現は膵臓CSC等において知られている。抗体リガンドではこれらを独立に標的する必要があるが、我々の手法により、これらを並列的にターゲティング可能なことを明らかにした。また、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)においては、現在、チロシン擬似体であるステボロニン(BPA)が唯一臨床試験で用いられており、溶解性と腫瘍特異性が課題である。我々が開発した新規化合物はこれら課題解決につながることが期待される。
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