研究課題/領域番号 |
20H04543
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
西條 芳文 東北大学, 医工学研究科, 教授 (00292277)
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研究分担者 |
片山 統裕 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 准教授 (20282030)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 超音波 / 経頭蓋 / 4次元 / マウス |
研究実績の概要 |
中心周波数 2 MHzのコンポジット超音波素子を合計256領域にボロノイ分割して8つのリング状に配置した直径16.2 cmの半球状アレイトランスデューサの基本設計を行った。成体マウスの脳の大きさや形状を勘案し、トランスデューサの直径や素子の配置、音響的・電気的特性などの設計を最適化し、共同研究企業に依頼してトランスデューサの試作を行った。 光音響イメージングによる微小血管の可視化で確立したパラボリックアレイトランスデューサを用いた信号処理法では、受信素子と対象との距離を考慮したdelay and sum 方式およびWienerフィルタによるビーム処理を用いた。本研究ではこの手法を基に半球状アレイトランスデューサに適した信号処理法を開発し、試作したトランスデューサにより水中に設置したタングステンワイヤの画像化を行うことで信号処理法の検証を行うとともにトランスデューサの最終設計・仕様を決定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
中心周波数 2 MHzのコンポジット超音波素子を合計256領域にボロノイ分割して8つのリング状に配置した直径16.2 cmの半球状アレイトランスデューサの基本設計については計画通り行った。しかし、新型コロナウイルス感染症による影響で資材の入手難(特注品の納期遅延)があり、半球状アレイトランスデューサの試作が3か月遅れた。 受信素子と対象との距離を考慮したdelay and sum 方式およびWienerフィルタによるビーム処理を基に、半球状アレイトランスデューサに適した信号処理法を開発し、試作したトランスデューサにより水中に設置したタングステンワイヤの画像化を行うことで信号処理法の検証を行うとともにトランスデューサの最終設計・仕様を決定した。
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今後の研究の推進方策 |
3次元CTデータを基に作製したマウス頭蓋骨モデル内にタングステンワイヤーを設置し、モデル全体を水中に保持して超音波の送受信を行う。256 ch独立した超音波の送受信には研究代表者がすでに所有しているプログラマブル超音波送受信装置を使用する。 半球状アレイの最も内側のリングに配置された超音波素子から同位相で送信し半球状アレイトランスデューサの全素子で受信するという並列ビーム処理を32~64回繰り返し、十分な画質および信号/雑音比が得られるパケット数および繰り返し数について検討する。同様に8つのリングのそれぞれから同時送信して全素子で受信する並列ビーム処理を行い、8つのリングによる送受信の画像を重ね合わせ3次元コンパウンドイメージングを生成する。
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