研究課題
本年度は4つの小目的について、以下の通り研究を進めた。1.高忠実性筋骨格解剖バイオメカモデルの構築:これまで開発した弾性体シミュレーションVIPERによる股関節周辺筋のモデリングと比較するため、市販のバイオメカシミュレーションプラットフォームAnyBodyを導入し、患者個別のCT画像から構築した下肢全体モデルへの位置合わせにより、AnyBodyによる患者個別のシミュレーションが可能になった。2.医用画像データベースに基づく個体間解剖バリエーションの推定:前年度までに構築した自動セグメンテーションモデルを、下肢全体を撮影した668症例のCT画像に適用し、セグメンテーションを行った。全部で59の筋骨格部位をセグメンテーションし、部位ごとに患者間の非剛体位置合わせを行った後、下肢全体を統合した統計形状モデルを構築した。これだけ大規模な患者データから多数の部位を同時に統計モデル化した研究はこれまでにない。この統計モデルを用いて、一部分のみのCT撮影画像から下肢全体を予測する、あるいは下肢全体の2次元投影像から3次元的な筋骨格構造を予測する、といった応用を進めている。3.筋骨格の動態変形バリエーションの推定:健常ボランティアのMRI撮影を行い、中間位・外転位・内転位の三つの肢位で股関節周辺の3次元画像を取得した。1で開発したVIPERによる筋動態変形推定システムを用い、中間位から外転位に骨を動かしたときに中殿筋の筋線維走行がどのように変化するかを予測した。4.筋骨格動態四次元認識AIの構築と医用画像を用いた評価:前項の三肢位でのMRIから得たground truthと予測結果を比較した。従来手法(Linear Blend Skinning)では平均誤差が13.49mmだったのに対し、VIPERによる予測では10.22mmとなり、従来手法より高い精度で予測できたことを確認した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 4件)
Journal of Orthopaedic Science
巻: In Press ページ: In Press
10.1016/j.jos.2022.10.009
International Journal of Computer Assisted Radiology and Surgery
巻: 18(1) ページ: 71-78
10.1007/s11548-022-02797-8
巻: 18(1) ページ: 79-84
10.1007/s11548-022-02806-w