研究課題/領域番号 |
20H04554
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
丸山 一雄 帝京大学, 薬学部, 特任教授 (30130040)
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研究分担者 |
吉田 道春 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (00795437)
梅村 晋一郎 東北大学, 医工学研究科, 学術研究員 (20402787)
吉澤 晋 東北大学, 工学研究科, 教授 (30455802)
小俣 大樹 帝京大学, 薬学部, 講師 (80803113)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 血液脳関門 / マイクロバブル / 超音波 / DDS / 脳腫瘍 / BBBオープニング |
研究実績の概要 |
脳には血液と脳実質の間の物質移行を厳密に制御する血液脳関門が存在し、薬物治療の障壁となっている。脳腫瘍においても、血液脳関門が抗がん剤移行の障壁となっており、効率的に抗がん剤を送達可能な技術が求められている。そこで、開発を進めてきたマイクロバブルと集束超音波を用いた脳への薬物送達技術の脳腫瘍治療における有用性を検討した。マウス脳腫瘍細胞であるGlioma261をマウスの脳に移植した。その後、脳の冠状切片を作製し、ヘマトキシリン・エオシン染色をしたところ、腫瘍細胞の生着が認められた。また、小動物用MRI装置を用いた観察においても、脳内に腫瘍が存在することが確認できた。この脳腫瘍モデルマウスに対して、抗がん剤にマイクロバブルと集束超音波を併用した治療を行い、生存日数を評価した。細胞移植7日後の脳腫瘍モデルマウスに対して、ドキソルビシン封入リポソーム、マイクロバブルを尾静脈から投与した。その後、経頭蓋的に集束超音波 (周波数 1 MHz、音圧 0.4 MPa、時間 2 min) を脳腫瘍移植部位に向けて照射した。2日おきに合計3回の治療を行い、生存日数を追跡した。その結果、無処置群、ドキソルビシン封入リポソーム単独投与群、マイクロバブルと集束超音波のみを併用した群と比較して、ドキシルにマイクロバブルと集束超音波を併用した群では、有意に生存期間が延長した。マイクロバブルと集束超音波を併用することで血液脳関門の透過性が亢進し、ドキソルビシン封入リポソームの脳腫瘍組織への移行性が向上し、生存期間の延長につながったことが考えられた。これらの結果から、脳腫瘍治療において、マイクロバブルと集束超音波を用いた薬物送達技術は有用であることが示唆された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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