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2020 年度 実績報告書

聴覚刺激音の選択的注意による脳波応用生活支援システム構築に向けた研究

研究課題

研究課題/領域番号 20H04563
研究機関名古屋大学

研究代表者

千島 亮  名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (80252112)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード脳波応用生活支援システム / 重度神経疾患者(児) / リハビリテーション工学 / 作業療法 / 聴覚刺激音 / P300型BCI / 支援技術 / assistive technology
研究実績の概要

極めて生活支援が困難な重度神経難病者(児)を対象とし,簡易に脳波導出可能な聴覚刺激音の選択的注意によるP300型BCI(Brain-Computer Interface)の構築を最終目標としている.利便性や負担軽減に重点を置いた基礎的実験を立案し,同意の得られる健常被験者の協力を得て(当大学倫理審査委員会承認による),より最適な聴覚刺激音について実験により検証した.R2初年度は気導聴覚刺激による基本実験システムの機器・システム構築・整備を主眼に推進した.脳波応用支援システムに用いる聴覚刺激音について,楽音(複合音)を調音し,より良好に導出可能な刺激音条件について実験により検討した.検査や臨床で一般に用いられている1000 Hz・2000 Hzトーンバーストによる純音だけでなく,ヒトが受聴しやすい楽音について検討した.周期的複合音を生じさせる楽器種は豊富であり,広く一般になじみのある弦鳴楽器である「ピアノ音」用いた.楽音はPCによりMIDI規格を用いて調音して実験に用いた.音圧55 dBHL,音程はA6 (1760 Hz)とA5 (880 Hz)のトーンの異なる2種類の音をランダムに両耳側から呈示した.P300成分計測は誘発電位計測装置(MEB-550,日本光電)を用い,A/D変換(POWER1401,CED)にてPC記録した.目的成分の同定はMATLAB(2019a, MathWorks)ツールボックス上でEEGLAB v 2019.1 (UC San Diego)を用い,サンプリング周波数256 Hz,バンドパス・フィルタ0.5-20 Hzを適用してエポッキング (-100~800 ms) 後,ICAフィルタにてP300成分を抽出・同定した.R3年3月までに健常成人学生8名(平均年齢22.8歳±1.30)について課題実施時のEEGを測定した.何れの課題においても目的成分の同定可能であり,「高さ弁別課題」では標的刺激後と非標的刺激後の最大陽性振幅値に有意差を認めたが,一部のデータでは非標的刺激後の振幅値が標的刺激後の振幅値を上回る傾向を示している.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

研究被験者のリクルートに関して,学内での健常成人学生の公募が難しく,実験推進がやや滞っている.R3年2月末までに健常成人学生8名(平均年齢22.8歳±1.30)であり,聴覚刺激音の検討に際してのデータが極めて不足している状況である.

今後の研究の推進方策

昨年度未達成項目について,引き続き;聴覚刺激音の検討をすすめ,聴覚刺激音解析システムとオフライン実験システムの拡充を推進するまた,実験被験者の参加をできる限り推進し,更に多くの基礎的データーの蓄積に努める.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 骨伝導聴覚刺激を用いた事象関連電位P300導出課題の負担軽減に向けた検討2020

    • 著者名/発表者名
      山口 紗世,久保田 純平, 黒野 隼,千島 亮
    • 学会等名
      第54回日本作業療法学会
  • [学会発表] 作業課題の難易度を変化させた条件が運動関連脳電位(MRCP)に与える影響について2020

    • 著者名/発表者名
      小田 早耶香,黒野 隼, 千島 亮
    • 学会等名
      第54回日本作業療法学会
  • [学会発表] 聴覚刺激音の選択的注意による事象関連電位P300成分特性の検討2020

    • 著者名/発表者名
      黒野 隼, 小田 早耶香,千島 亮
    • 学会等名
      第54回日本作業療法学会

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公開日: 2021-12-27  

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