研究課題/領域番号 |
20H04567
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
近井 学 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (60758431)
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研究分担者 |
遠藤 博史 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究グループ付 (20356603)
大森 信行 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 客員研究員 (20506133)
高松 誠一 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (20635320)
井野 秀一 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (70250511)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 嚥下音 / 嚥下機能 / 摂食嚥下障害 / 非侵襲計測 / 電子テキスタイル |
研究実績の概要 |
本課題では,嚥下音の発生機序の解明(モデルの構築),嚥下音の解析手法の提案(モデルに基づいた解析手法の構築),テキスタイルデバイス作成技術を利用した機器開発(センサの開発と嚥下音の最適な手法の検討)のテーマに基づき,基礎データとなる人間計測およびデータの解明を行いながら,嚥下音の発生機序の解明と嚥下能力の評価法の構築を展開することを目指している. 当該年度は,2020年度に発生した世界的パンデミックの影響を踏まえ,臨床現場での計測が必須である嚥下造影検査などの生体内を撮影可能な手法ではなく,頸部の動態を計測可能な手法の検討を進めた.構築した計測システムでは,頸部の動態と嚥下音の同期計測を可能とし,体表面からの咀嚼食塊の動きの推定手法を検討した.他方,嚥下動作中の表面筋電図の信号から,嚥下動態の推定についての検討を行い,咀嚼食塊の口腔内保持の違いによる筋活動の違いを明らかにした.喉頭挙上を簡便に計測をするためのセンサデバイス開発として,当該年度はセンサ実装時の構造に着目した.特に,センサ実装においては、応力緩和層を組み込んだ構造を提案し,30%以上の伸縮に耐えるデバイス実装を実現した.この実装技術を活用することで,ヒトの体表面などの柔軟な部位への貼り付けが可能な圧センサ(ひずみゲージ)の実装を実現でき,次年度以降のヒトを対象とした評価へ繋げることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題は,2020年度に多大なる影響を受けた新型コロナウイルス感染症により,継続して飲食を伴う実験を行うことが難しい状況であった.しかしながら,制限があることを前提とした実験計画を考えつつ,計画に沿った形での研究活動を進めていくことを検討した.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,健常群を対象とした頸部の動きに加え,広帯域まで計測可能なマイクロホンおよびオーディオインタフェースを複数種類用意しつつ,嚥下音の発生機序と喉頭の動きを時刻同期させて計測可能なシステムを用いた実験を展開する.これまでに明らかになっていなかった嚥下音のメカニズムを踏まえた検討を行い,最終年度の患者を対象とした実験に向けた検討を進める.
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