研究課題/領域番号 |
20H05637
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
岩田 高広 山形大学, 理学部, 教授 (70211761)
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研究分担者 |
松田 達郎 宮崎大学, 工学部, 教授 (20253817)
宮地 義之 山形大学, 理学部, 教授 (50334511)
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研究期間 (年度) |
2020-08-31 – 2024-03-31
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キーワード | 核子スピン / QCD / クォーク |
研究実績の概要 |
本研究では核子スピンの起源の探求の上で重要なクォークの軌道角運動量(OAM)寄与を示すため、大型重陽子偏極ターゲットを用いてスピン非対称度を測定し、Sivers関数を決定し、OAM寄与の存否を決定することを主な目的としている。核子スピンの起源を実験的に探究する。これまでCERNでのCOMPASS実験のための偏極ターゲットに導入するための偏極励起用マイクロ波発振器(大強度マイクロ波真空管型発振器と固体マイクロ波発振器)に関する発注のための作業を完了した。大強度マイクロ波真空管型発振器については過去の使用実績を考慮したが、固体マイクロ波発振器についてはサンプル発振器の性能を評価して最終仕様を決定した。結果として、前者については2020年度中に発注を行い、後者については2021年に6月に発注を行った。これらによって、COMPASSの偏極ターゲットシステムの最終タイプの構成の見通したが立ち、ビームを用いた今後の測定のための基礎が築かれた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CERNでのCOMPASS実験のための偏極ターゲットを稼働させるために必要な作業を行ってきた。特に、本予算によって導入する偏極励起用マイクロ波発振器(大強度マイクロ波真空管型発振器と固体マイクロ波発振器)に関する作業を中心的に行った。固体マイクロ波発振器についてはCERNで既に入手してあったサンプル発振器の性能を評価して最終仕様を決定し、2021年2月に入札を行ったが、不調となったため、随意契約に切り替え、結局2021年に6月に発注を行った。これによって、COMPASSの偏極ターゲットシステムの最終タイプを構成する見通したが立ち、ビームを用いた今後の測定のためのベースが築かれた。
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今後の研究の推進方策 |
COMPASS偏極ターゲットに新たなマイクロ波発振器を組み込み、重陽子化リチウム標的試料を取り付け、システム全体を冷却し、マイクロ波を入射して偏極励起を行う。さらに、偏極ターゲットの偏極度をNMRシステムによって測定し、システム全体がうまく機能していることを確認する。その後、ターゲットに高エネルギーミューオンビームを入射し、予定されたデータを取得し、核子スピンの構造を分析するために必要なスピン非対称度測定を遂行する。
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