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2020 年度 実績報告書

宇宙機用次世代ホールスラスタ技術の検証と超高速プラズマジェット生成機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20H05656
研究機関国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

研究代表者

船木 一幸  国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (50311171)

研究分担者 渡邊 裕樹  国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 主任研究開発員 (30648390)
大塩 裕哉  龍谷大学, 先端理工学部, 助教 (80711233)
研究期間 (年度) 2020-08-31 – 2025-03-31
キーワード航空宇宙工学 / プラズマ・核融合 / 宇宙機推進 / ホールスラスタ / ホローカソード
研究実績の概要

高電圧ホールスラスタ作動試験として、電圧3kV、磁束密度強度0.1Tと、過去には実施されなかった非常に高い電圧と磁場を短時間印加可能なスラスタを設計して試作した。高電圧ホールスラスタではチャンネル幅を狭くして強い磁束密度強度により放電の安定化を図るが、本年度研究では2種類のスラスタの設計製作を行った。1つ目(A型)は高電圧化によって上昇する電子温度を低減することで多価キセノンイオンの生成を抑え、できる限り1価のイオンとして排気することを目指す。このため、チャンネル壁とプラズマとの接触面積と衝突を一定量確保できる形状設計とした。ただしこのA型のチャンネルでは1kV程度までの動作までが限界で、それ以上では2価イオンが多く発生して排気速度と性能が制約されると予想されることから、もう一つの型としてB型のスラスタ形態にて、最大3kVまでの高電圧により2価以上のイオンを主体とし高密度で高エネルギーなジェットの実現と、上限の無い特性を目指す。この場合、エネルギーの大きな2価イオンの衝突によるチャンネルセラミック壁の損耗が懸念されるため、チャンネル出口付近の狭い領域でプラズマ生成と加速を行う磁場配置を工夫した。これら2つの型のスラスタが完成し、電気等試験までを実施した。スラスタは宇宙航空研究開発機構所有の大型真空チャンバー内の推力測定スタンド上に設置され、推力から平均排気速度を、また、ジェット中の1点でのラングミュアプローブ計測により密度・温度・空間電位等の情報を得るが、本年度は試験のための設備ならびに計測駆動系の整備を行った。また、スラスタチャンネル内部診断ならびにカソードの設計最適化のための試験システムについても整備を完了した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ホールスラスタの設計製作と、試験実施のための試験設備の整備について、計画された項目が完了したため。

今後の研究の推進方策

今後は、火星圏への往復航行や外惑星到達に求められる40から50km/sの高い排気速度を目指し、過去に実施されたことの無い高い電圧(1から3kV)とサブテスラ級の強磁場を印加可能なスラスタシステムを実験的に評価して設計最適化を図る。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] An Overview of Electric Propulsion Activities in Japan2021

    • 著者名/発表者名
      Ikkoh Funaki
    • 学会等名
      10th Asian Joint Conference on Propulsion and Power
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Measurement and Observation on Spot-plume Mode Plasmas of LaB6 Hollow Cathode2021

    • 著者名/発表者名
      Shun Imai, Kenichi Kubota, Shinatora Cho, Ikkoh Funaki, Daisuke Imaguchi, Hiroki Watanabe, Yuya Oshio
    • 学会等名
      10th Asian Joint Conference on Propulsion and Power
    • 国際学会
  • [学会発表] LaB6ホローカソードの耐久性能向上に向けたプラズマ特性評価2021

    • 著者名/発表者名
      今井駿,渡邊裕樹,松永芳樹,今口大輔,窪田健一,張科寅,大塩裕哉,船木一幸
    • 学会等名
      2020年度宇宙輸送シンポジウム
  • [学会発表] 磁場中におけるホローカソードプルームプラズマのイオンエネルギー計測2021

    • 著者名/発表者名
      今口大輔,渡邊裕樹,今井駿,船木一幸,山極芳樹
    • 学会等名
      2020年度宇宙輸送シンポジウム

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公開日: 2023-12-25  

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