研究課題/領域番号 |
20J00273
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
鶴田 まなみ 同志社大学, 商学部, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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キーワード | 経済実験 / オンライン実験 / 行動経済学 / 実験経済学 / 不正行動 |
研究実績の概要 |
本年度は、新型コロナウイルスの影響により、当初予定していた実験室実験を行うことができず、さらに収束の見込みもたたないことから、実験計画を練り直し、オンライン上での経済実験を1から準備することとなった。 しかし、前年度に実験室実験を行い並行して進めていた、公務員志望者へのプライミング実験の分析を進めることができた。この研究はCohn et al.(2015)の刑務所内の受刑者を実験参加者として行った実験研究を参考にしている。彼らの実験は、「自分は受刑者である」と受刑者に意識をさせるプライミング課題を行うと、統制群の受刑者と比較して、その後の不正課題で不正をしやすくなる、というものであった。我々は、不正を行わないイメージを持つ公務員という職業に注目した。「公務員を志望している」というプライミングが公務員志望の学生の不正行為の程度に影響するのかを検証した。結果として、「公務員志望者である」というプライミング課題を行った公務員志望者は、統制群の公務員志望者と比較して、大きな不正を行いづらくなったが、かわりに小さな不正を行うようになった。我々はこの結果を論文化し、査読付きの国内学会において2回口頭報告を行い、国際ワークショップにおいても口頭報告を行うことができた。さらに、この論文は学会誌のプロシーディングスとして受理され、学会誌において刊行予定である。 よって、当初予定していた実験室実験は行うことはできなかったが、代替手段としてのオンライン実験の準備を着実に進めることができ、さらに前年度に行った不正行為に関する実験の分析を進め、研究実績を上げることもできた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、新型コロナウイルスの影響により、当初予定していた実験室実験を行うことができず、さらに収束の見込みもたたないことから、実験計画を練り直し、オンライン上での経済実験を1から準備することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
オンラインで行える実験計画を立て直し、オンライン実験の方法を行う。
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