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2020 年度 実績報告書

現代社会におけるごみの意味:視覚・臭い・音の風景の社会史から

研究課題

研究課題/領域番号 20J00377
研究機関立教大学

研究代表者

梅川 由紀  立教大学, 社会学部, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2023-03-31
キーワードごみ / 高度経済成長期 / 電気冷蔵庫 / 台所改造 / 掃除機 / 粗大ごみ
研究実績の概要

本研究の目的は「ごみにまつわる視覚・臭い・音の風景の不可視化」という現象が、ごみと人間の関係にどのような変化を及ぼし、現代社会のごみにどのような意味をもたらすのかを明らかにすることである。1926~1940・1955~1973・2000~2015年のごみの発生・保管・排除場面に関して、資料収集とインタビュー調査から考察予定であった。ところが新型コロナの影響で資料収集やインタビューの実施が難しくなってしまった。そこで令和2年度は、既に一部の資料収集が完了していた1955~1973年の、ごみの発生・保管・排除場面に関する研究を行う方針に切り替えた。1955~1973年は、ごみと人間の関係における「転換点」と考えられ、本研究において重要な時期である。まずこの時期に注目することは研究遂行上、意味があると考えた。
具体的には以下の知見を得た。ごみの発生場面の研究では、電気冷蔵庫の普及に着目した。人々は、ついよけいに買いすぎ・作りすぎ・しまい込み・結局だめにするという「余剰品」を生みだす様子を明らかにした。また台所改造に着目し、台所は汚れやごみが「あっても仕方のない場所」から「あってはいけない場所」へと変化する様子を示した。ごみの保管場面の研究では、掃除機に着目した。ほうきを用いた掃き出す掃除から、掃除機を用いた吸い取る掃除への変化は、掃除の際に空間を舞うチリやホコリの量を減少させた。すると人々は逆に、空間を舞うチリやホコリを強く意識する様子を示した。ごみの排除場面の研究では、粗大ごみに着目した。粗大ごみ登場時に表出した違和感から、通常のごみが「燃やすことができ、埋め立てることができ、土壌化できる、小さな存在」と理解される様子を提示した。以上の分析結果から、人々はごみを「発見」し、ごみ概念が拡大している様子を明らかにした。現代社会のごみと人間の関係を示す、重要な視点を示すことができた。

現在までの達成度 (段落)

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

今後の研究の推進方策

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 掃除機と電気冷蔵庫の普及を通してみるごみと人間の関係 : 高度経済成長期に着目して2021

    • 著者名/発表者名
      梅川由紀
    • 雑誌名

      年報人間科学

      巻: 42号 ページ: P.31-P.45

    • DOI

      10.18910/78349

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ごみをめぐる風景の変化――高度経済成長期の「台所改造」を中心に2020

    • 著者名/発表者名
      梅川由紀
    • 学会等名
      第93回 日本社会学会大会

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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