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2021 年度 実績報告書

第二次世界大戦後のケニアにおける越境性動物疾病対策と国家統治の変容

研究課題

研究課題/領域番号 20J00738
研究機関東京大学

研究代表者

楠 和樹  東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任研究員

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2023-03-31
キーワードアフリカ / 国家 / 統治性
研究実績の概要

本研究の目的は、ケニアの牛疫対策を事例として越境性動物疾病対策が策定され、実施される過程を分析することである。2年目に当たる令和3年度は、新型コロナウイルスの流行のため、予定していたケニアでの現地調査をおこなうことができなかった。そのため、代替的な手段として、現地の調査補助会社を通じてデータを収集した。具体的には、これまでフィールドとしてきたカジァド・カウンティにおいて、牧畜民のマサイを対象として過去の牛疫の流行時の記憶について聞き取り調査をおこなった。牛疫はもっとも危険な動物感染症のひとつであり、ヨーロッパ諸国では18世紀以降大規模な流行が繰り返されていたものの、獣医師の養成や国際会議の開催などの対応が整備された結果、20世紀初頭までにはほぼ撲滅されていた。それに対して、ケニアをふくむアフリカの国々に牛疫のウイルスが到来した時期は比較的遅く、その制圧にもより多くの時間がかかった。牛疫はケニアで19世紀末からたびたび発生し、2001年に最後の事例が報告されるまで、とくに家畜への依存度の高い生活を送っていた牧畜民に深刻な被害をもたらしていた。聞き取り調査では、過去のそれぞれの流行時に人々がどのように対処したのかを、とくに国家の介入への対応に着目しながら語りを収集した。
以上の研究の成果の一部については、5月に開催されたアフリカ学会学術大会と、3月に開催された科研研究会で発表をおこなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

令和3年度はケニアにおける資料収集とインタビュー調査を予定していたが、新型コロナウイルスの流行の継続と個人的な理由のため、断念せざるを得なかった。そこで、当初の計画を変更して、現地の調査補助会社を通じて資料収集をおこなった。

今後の研究の推進方策

来年度は、渡航が可能な状況になり次第、ケニアでの現地調査をおこなう予定である。また、それが難しければ今年度と同様に、調査補助会社を通じて資料収集をおこなうことも検討している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 書評―Emma Hunter, Political Thought and the Public Sphere in Tanzania: Freedom, Democracy and Citizenship in the Era of Decolonization, Cambridge University Press, 20152021

    • 著者名/発表者名
      楠和樹, 佐藤裕視, 角正美, 平山草太, 溝内克之
    • 雑誌名

      アフリカ研究

      巻: 100 ページ: 132-135

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 間接統治を捉えなおす―辺境統治性の視点2022

    • 著者名/発表者名
      楠和樹
    • 学会等名
      第3回「アフリカ国家論の再構築」研究会
  • [学会発表] 植民地期ケニア北東部におけるモビリティ、境界線、領域性2021

    • 著者名/発表者名
      楠和樹
    • 学会等名
      第58回 アフリカ学会学術大会

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公開日: 2023-12-25  

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