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2022 年度 実績報告書

刑事施設における拘禁の本質をめぐる領域横断的研究:様々な拘禁形態間の比較を通して

研究課題

研究課題/領域番号 20J00787
研究機関龍谷大学

研究代表者

大谷 彬矩  龍谷大学, 法学部, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2023-03-31
キーワード自由剥奪 / 自由刑 / 保安処分 / 無期刑 / 懸隔の要請 / 受刑者処遇 / 拘禁刑
研究実績の概要

最終年度である2022年度は、これまでの研究成果を整理し、自由剥奪の内実を統一的観点から検証するメソッドの確立を目指した。
ドイツとの比較法研究において、現地での施設参観を計画していたもの、新型コロナウイルス感染症の流行により、昨年度、一昨年度と現地調査ができなかった。最終年度は実際にヘッセン州のシュヴァルムシュタット司法執行施設と、ニーダーザクセン州のロスドルフ司法執行施設を参観することができた。現地調査の結果、自由刑と保安処分との間に懸隔を設けることを要請した2011年の連邦憲法裁判所判決は、実務の現状を追認したのではなく、実務に大きな影響を与えていることが分かった。
自由の剥奪について、法的地位により差異を設けることの是非について検討することを目的とする本研究において、自由刑と収容保安処分における処遇を実務上、明確に区別しようとする運用が海外で行われていることを確認できた意義は大きい。すなわち、自由刑の形をとりながら治療的な処遇を取り入れることは、潜在的保安処分化をもたらすものと言えるし、保安処分に類似するのであれば、自由刑とは区別された処遇の要請が生まれるとの推定が生じるからである。
また、自由刑の中でも無期刑について、理論的検討を行った。ドイツの無期刑では、最低服役期間経過後に、保安処分と類似した性質と捉え、一般の受刑者との区別が行われるべきとの立場がある。日本との単純な比較は困難であるが、無期刑受刑者に対する特別な処遇の必要性が認識されながら、実務上明確な区別がなされていないわが国でも参照する意義があると思われる。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 オープンアクセス 3件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 無期刑受刑者に対する特別な処遇は正当化できるか―ドイツにおける「懸隔の要請」の議論を手がかりとして―2023

    • 著者名/発表者名
      大谷彬矩
    • 雑誌名

      龍谷法学

      巻: 55巻4号 ページ: 165-192

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Ageing, Institutional Thoughtlessness, and Normalisation in Japan’s Prisons2023

    • 著者名/発表者名
      Suzuki Masahiro、Otani Akinori
    • 雑誌名

      International Journal of Comparative and Applied Criminal Justice

      巻: 13 Mar 2023 ページ: 1-12

    • DOI

      10.1080/01924036.2023.2188236

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] 欧州刑事施設規則(2020年改訂版)(1)2023

    • 著者名/発表者名
      九州刑事政策研究会(大谷彬矩)
    • 雑誌名

      法政研究

      巻: 89巻4号 ページ: 131-159

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 著者より2022

    • 著者名/発表者名
      大谷彬矩
    • 雑誌名

      犯罪社会学研究

      巻: 47号 ページ: 151

  • [雑誌論文] ヘッセン州少年拘禁執行法2022

    • 著者名/発表者名
      九州刑事政策研究会(大谷彬矩)
    • 雑誌名

      法政研究

      巻: 89巻1号 ページ: 263-288

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 判批(最高裁平成31年3月18日判決 死刑確定者が許可を受けずに吸取紙に書き込み等をしたことについて、遵守事項に違反するとして拘置所長等がした懲罰等の措置を適法とした事例)2022

    • 著者名/発表者名
      大谷彬矩
    • 雑誌名

      季刊刑事弁護

      巻: 110号 ページ: 106-111

  • [学会発表] 無期刑受刑者に対する特別な処遇の正当化に関する考察2023

    • 著者名/発表者名
      大谷彬矩
    • 学会等名
      日本刑法学会九州部会第131回例会
  • [図書] 刑事司法と社会的援助の交錯2022

    • 著者名/発表者名
      赤池一将、石塚伸一、斎藤司、武内謙治
    • 総ページ数
      668
    • 出版者
      現代人文社
    • ISBN
      9784877988296

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公開日: 2023-12-25  

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