研究課題/領域番号 |
20J00815
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
浜村 俊傑 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
|
キーワード | 行動嗜癖 / 思春期 / ゲーム症 / スマートフォンの問題利用 |
研究実績の概要 |
当該年度は,ゲーム嗜癖の併存症状と考えられる内在化との関連に着目した研究に取り組むための文献レビューを行った。また先行研究で明らかになっている内容を明らかにしつつ,研究のリサーチクエスチョンと仮説を生成するためにブレインストーミングに取り組んだ。ゲーム嗜癖を測定する概念として,DSM-5(精神障害の診断・統計マニュアル第5版)に含まれているinternet gaming disorder以外にも,ICD-11(国際疾病分類の第11回改訂版)に正式に含まれるgaming disorderを測定するにあたり,当該尺度を検索し,日本語訳を行う必要性があるかを調べ検討した。
また未成年を対象に,スマートフォンで利用できるアプリケーション(アプリ)の開発に取り組んだ。介入内容は,自身の利用時間が可視化できる機能,予め選んだアプリのみを一定時間内に利用できる機能,保護者が,未成年(子ども)に利用についてフィードバックを送れる機能とした。次にその効果を検証するための予備実験の計画を立て実施した。中学生・高校生とその保護者を対象に,本人のみアプリを使う群と本人および保護者がアプリを使う群にランダム割当を行なう研究デザインを立案した。測定指標は,自己評定のスマートフォン嗜癖および,アプリで測定した利用時間(ログデータ)とした。ログデータの取得のため初めの2週間をベースラインとし,その間に自己評定の尺度に回答してもらうこととした。測定期間は,ベースラインの2週間,アプリを利用してもらう2週間とした。本年度は,倫理審査とデータ収集を完了し,統計解析も概ね完了した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
ゲーム嗜癖の併存症状と内在化の関連に着目した研究は,今年度中に調査を実施する予定だったが,測定指標や調査会社の選定で想定したよりも時間を要した。
|
今後の研究の推進方策 |
ゲーム嗜癖の併存症状と内在化の関連に着目した研究については,来年度に倫理審査を完了し,データ収集を行う。アプリを用いる介入研究については,統計解析を終え成果公表を行う。
|