【研究1:児童青年におけるゲーム行動症の内在化および家族要因との関連】2022年度は、前年度に行ったデータ収集に続き、統計解析および成果の作成に着手した。本人評定のGAMES Test(ゲーム行動症)のカットオフ値を超える割合は12%であった。GAMES Testを基準変数とする回帰分析から、内在化および過保護などの養育態度は、ゲーム行動症と関連していることが明らかになった。また、親評定および本人評定において、GAMES Test得点の差は統計的に有意でなかった。
【研究2:青年のスマートフォンの問題使用に対するフォーカス機能およびフィードバック機能の効果検証】】Android端末を使用している中学生および高校生305名を対象に、フォーカス機能群、フィードバック機能群、および対照群に無作為に割り付けた。フォーカス機能群では、一定時間予め選んだアプリ以外は使用できない機能を備えた。フィードバック機能群では、自分自身のスマートフォン使用時間と他者のスマートフォン使用時間を確認できる機能を備えた。参加期間は、2週間のベースライン期間、1週間の介入へのアプリアップデート期間、4週間の介入期間とした。主要アウトカムは、自己報告によるスマートフォンの問題使用とし、副次アウトカムは、自己報告スマートフォン使用時間およびログ報告されたスマートフォンの使用時間および使用頻度とした。フォーカス機能群およびフィードバック機能群の両方で、自己報告スマートフォンの問題使用が減少し、効果量は小程度であった。ログ報告スマートフォン使用頻度は、フォーカス機能群およびフィードバック機能群で減少し、効果量は小程度であった。タイムアウトの使用や社会的比較によってスマートフォンの問題使用およびスマートフォンの使用頻度を低下させる可能性が示唆された。
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