本研究は直観的な道徳判断のベースとなる知覚・認知処理のメカニズムについて明らかにすることを目指している。昨年度は、感染症拡大の影響に伴い、一部の実験を中断し、オンライン上で実施可能な実験に変更して実施した。以下から実施した実験の一部の内容を抜粋して示す。実験では、道徳違反的な行為に対する評価に顔の印象がどのように影響を及ぼしているのかを検証した。顔の画像にランダムなノイズを加算または減算する手法を利用し、道徳性と関連した顔ステレオタイプを推定した。また、顔からその人物の特性を判断できるという信念に着目し、この信念の程度が道徳性と関連した顔ステレオタイプに及ぼす影響を検証した。
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