今年度はPFS関連では、試験観測が年度内に始まることを踏まえて、分光観測する際の対象銀河の選定を最適化できるかの検討に注力した。また米国主導のDESIが観測を開始したことを踏まえ、PFS宇宙論プログラムが宇宙論パラメータやニュートリノ質量の制限をどれくらいの精度できるか検討した。その結果に関しては現在投稿論文を執筆中である。また、SDSSの銀河団カタログとHSCの弱重力レンズカタログを用いた宇宙論解析は、まずこれまでに開発した解析パイプラインで正確に宇宙論パラメータが制限できるかを検討した。特に、弱重力レンズ信号では小さなスケールまで用いて解析を行う予定なので、小スケールで問題となってくるバリオンの効果も含めてモックで検証した。結果、バリオンの効果があったとしても、宇宙論パラメータ制限はそこまでバイアスされないという結論になったため、現在実データでの宇宙論パラメータ解析を行なっており、こちらも投稿論文を準備中である。
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