研究課題/領域番号 |
20J01920
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
角 大地 大阪市立大学, 都市健康・スポーツ研究センター, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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キーワード | 暑熱環境 / 持久性トレーニング / ヘプシジン / 鉄代謝 |
研究実績の概要 |
既存の多くの研究が「暑熱環境での運動時の生理応答」「暑熱環境での水分摂取の影響」「暑熱馴化の効果」などに着目してきたのに対し、熱ストレスを用いて持久性トレーニングの効果を増幅させようとした研究はきわめて少ない。特に、暑熱環境下での運動は様々な生理応答を賦活させ、より一層のトレーニング効果を誘発する可能性は十分に考えられる。そこで、本研究では「熱ストレスを活用した持久性トレーニング」が持久性運動パフォーマンスの改善に及ぼす効果の全容と機序を明らかにし、効率的なトレーニングプログラムを新たに提案することを目的とする。 本年度は暑熱環境下での持久性トレーニングが鉄代謝および炎症反応に及ぼす影響を検討した。トレーニングに伴う鉄代謝および炎症反応を検討することは、トレーニング時におけるコンディションを良好に維持する上で極めて重要となる。健常男性15名を対象に、暑熱環境(室温35℃、暑熱群)または通常温度環境(室温20℃、通常温群)でトレーニングを実施する群に分類した。トレーニングには自転車エルゴメーターを用いて60分間の持久性トレーニング(2週間、合計8回)を実施し、トレーニング期間前後において暑熱耐性テスト(60分間のペダリング@室温35℃)を実施した。その結果、暑熱群はトレーニングに伴い暑熱耐性テスト時の直腸温が有意に減少した一方で、通常温群にはトレーニングに伴う有意な変化は認められなかった。またいずれの群においても、トレーニング期間前後における暑熱耐性テスト時の血清ヘプシジン濃度の上昇に有意な変化は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度は大規模なトレーニング介入実験を実施することができた。また、2つの国際学会を含む3度の学会発表にて研究成果を発表した。また、3編の研究成果が国際誌に掲載された。2021年度は前年度の研究成果を国際誌に投稿するとともに、当初より予定している次の研究課題へ着手する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、暑熱環境下での持久性運動(トレーニング)に伴う各種生理的応答を検討していく。特に、持久性スポーツパフォーマンス向上に貢献するトレーニング適応およびコンディション関連指標の変化を評価する。
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