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2020 年度 実績報告書

人工的スピン軌道相互作用した少数系における非古典的性質の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20J10006
研究機関沖縄科学技術大学院大学

研究代表者

臼井 彩香  沖縄科学技術大学院大学, 科学技術研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2022-03-31
キーワード量子物理学 / エンタングルメント / 冷却原子気体
研究実績の概要

原子集合系のentanglementの定量化:
Entanglement measuresは量子系の非古典的相関の定量化するが、実際の実験データから計算するのは難しく、不可能であることが多い。この研究では、観測量の分散から計算できるentanglement criteriaから出発し、2つのentanglement measures(the best separable approximation (BSA)とthe generalized robustness (GR))の下限を解析的に導出した。これにより、基本的な物理量の測定のみで、系のentanglementを定量化できる。具体的な例として、spin-squeezed Bose-Einstein condensatesにbipartite entanglementやmultipartite entanglementが生成された場合を考え、集合的観測量やその2次 モーメントを用いて、BSAやGRの下限を求めた。

量子simulationの新提案: コントロールするハミルトニアンの条件の緩和:
量子simulationを考えるときは、たいてい、simulationしたいハミルトニアンと同じか近いハミルトニアンをつくることを目指す。しかし、この研究で、それは必ずしも必要ではないことを示した。つまり、ハミルトニアンだけでなく、初期状態の性質も考慮することで、全く異なるハミルトニアンであっても、同じダイナミクスが得られることを示した。具体例として、ゼロ距離相互作用によるダイナミクス(one-axis twisting)が近接相互作用をもつモデル(Heisenberg XXX model)によって、simulationできることを示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画時の系は、2粒子でスピン作用を用いて空間entanglementを生成することを考えていたが、多粒子系の方が実験的に容易かつ理論的に興味深い特徴があることから、多粒子系である原子集合系を用い、トラップを変化させることで、空間entanglementを生成する場合に変更した。結果をまとめ、論文を準備しており、1つはarXivですでに公開されている。

今後の研究の推進方策

ボース・アインシュタイン凝縮体を考え、モード間でのentanglement生成や空間におけるエンタングルメント生成の数値計算を行った。それを元に、生成したエンタングルメントのEntanglement measuresとその下限を比べ、その下限の有用性について言及し、実験のセットアップの例を挙げる。

結果をまとめ、論文として発表する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Simulating the Same Physics with Two Distinct Hamiltonians2021

    • 著者名/発表者名
      Karol Gietka, Ayaka Usui, Jianqiao Deng, and Thomas Busch
    • 雑誌名

      PHYSICAL REVIEW LETTERS

      巻: 126 ページ: 160402-1, -5

    • DOI

      10.1103/PhysRevLett.126.160402

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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