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2021 年度 実績報告書

熱帯山地林における展葉・開花・結実フェノロジーと葉における遺伝子発現の季節変化

研究課題

研究課題/領域番号 20J10047
研究機関九州大学

研究代表者

永濱 藍  九州大学, 理学研究院, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2022-03-31
キーワード展葉フェノロジー / 開花フェノロジー / 結実フェノロジー / 熱帯山地林
研究実績の概要

本研究は、①熱帯山地林の展葉・開花・結実フェノロジーを記述すること、②それらに影響する気象要因(気温・降水量・日長)を特定することを目的としている。本年度は、COVID-19感染拡大による海外への渡航制限を受けて、ベトナムのBidoup-Nui Ba国立公園におけるフェノロジー調査が行えなかったため、これまでの調査記録を用いた統計解析を行った。その結果、5調査区(標高1660-1920 m)全体の観察対象91種全てが雨季始めに展葉したが、観察期間中に開花した種は64種にとどまり、一年の中で明瞭なピークは見られなかった。この結果より、1年周期で咲く種と数年に一度咲く種の共存が示された。また、展葉フェノロジーは日長・気温・降水量の影響を、開花フェノロジーは日長・降水量の影響を有意に受ける一方で、結実フェノロジーに対する気象要因の影響は小さいことが明らかになった。
さらに、東・東南アジア9地点における展葉・開花・結実フェノロジーパターンの比較のために、東・東南アジアの9地点(温帯林2地点・亜熱帯林2地点・季節性熱帯林1地点・熱帯雨林2地点・熱帯山地林2地点)における先行研究の展葉・開花・結実フェノロジーデータを用いて、クラスター分析を行った。その結果、熱帯山地林2地点(マレーシア・キナバルとベトナム・ビドゥップヌイバ)の気候(日長・気温・雨量)のパターンは異なっていたが、フェノロジーパターンは類似した。これより、森林のフェノロジーに影響する他の気候要因の存在が示唆された。
そして、これらの結果と、被子植物が東南アジアの熱帯山地林に起源するという先行研究の仮説に基づき、群集のフェノロジーが、各地の気象と相関して多様化する過程を示す新たな仮説を構築した。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Claoxylon langbiangense (Euphorbiaceae), a New Species from Southern Vietnam2021

    • 著者名/発表者名
      Ai Nagahama, Shuichiro Tagane, Meng Zhang, Nguyen Van Ngoc, Hoang Thi Binh, Truong Quang Cuong, Hidetoshi Nagamasu, Hironori Toyama, Kojin Tsuchiya, Tetsukazu Yahara
    • 雑誌名

      Acta Phytotaxonomica et Geobotanica

      巻: 72 ページ: 275-280

    • DOI

      10.18942/apg.202016

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 東南アジアの開花・結実フェノロジーの緯度勾配2022

    • 著者名/発表者名
      永濱藍, 田金秀一郎, 陶山佳久, 北村俊平, 矢原徹一
    • 学会等名
      第69回日本生態学会大会
  • [学会発表] 熱帯から温帯にかけての森林フェノロジーの多様性2021

    • 著者名/発表者名
      永濱藍, 田金秀一郎, 陶山佳久, 矢原徹一
    • 学会等名
      第28回日本時間生物学会学術大会
    • 招待講演

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公開日: 2022-12-28  

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