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2020 年度 実績報告書

社交不安症に対するマインドフルネスを導入した認知行動療法プログラムの有効性

研究課題

研究課題/領域番号 20J10260
研究機関武蔵野大学

研究代表者

野田 昇太  武蔵野大学, 人間社会研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2022-03-31
キーワード社交不安症 / マインドフルネス / 否定的認知 / 回避行動 / 自己注目 / 認知行動療法
研究実績の概要

本研究の主の目的は,マインドフルネスを導入した認知行動療法プログラムを開発し,社交不安症患者に対してその有効性を検討することである。そこで全4回から構成される簡易型のプログラムと全8回から構成される定型プログラムを開発し,社交不安症患者にそのプログラムを実施することを計画していた。両プログラムの開発は終了し,医療機関との連携をとり,介入プログラムの実施手続きを調整していた。
しかし,新型コロナウイルス感染症により2度の緊急事態宣言が発令され,参加者のリクルートおよびプログラムの実施が難航している。全4回のセッションで構成された簡易型プログラムにおける目標サンプル数は30であるが(令和2年度は10名),現在は6名終了している。全8回のセッションで構成された定型プログラムにおける目標サンプル数は20であるが,現在は3名終了している。どちらとも目標サンプル数には達することができなかった。
治療を終了した6名の簡易型プログラムの有効性を検討した。社交不安症状に対して強い効果が示された。簡易型プログラムを受ける前の社交不安症状の得点は,70.17点したが,実施後は,49.50点と20点以上も減少した。Cohen’s dを算出したところ,0.83という数値が示された。定型プログラム(3名)では,社交不安症状の得点は,62.67点から46.67点に減少した。Cohen’s dは,1.11が算出された。これらの数値から,簡易型と定型の両プログラムは社交不安症状の改善において強い効果があることが示唆された。今年度も引き続き,サンプル数の確保を目的に研究を進めていく。
ほかに,本研究では,大学生を対象に社会的状況におけるマインドフルネス尺度を開発することも目的としていた。調査方法は対面を想定していたが,大学のロックダウンより調査の機会がなかった。今年度はWeb調査に切り替えて,社交不安症患者を対象に検討していくことを計画している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究の目的は,マインドフルネスを導入した認知行動療法プログラムを開発し,社交不安症患者に対してその有効性を検討することであった。簡易型と定型の2つの介入プログラムにおけるプロトコルを開発し,研究を実施するフィールド(医療機関)も確保できていた。医療機関との連携をとっており,介入プログラムを実施する準備はできていた。しかし,新型コロナウイルス感染症により研究の実施が何度か中断された。介入研究の実施が十分ではなく,目標とするサンプル数を確保することができなった。その点で,期待ほどの研究の進展はなかったと言える。
しかし,このような状況の中でも,開発した簡易型プログラムのプロトコルを論文発表したこと,既存の尺度の日本語版を海外雑誌に採択されたことなど研究を着実に進めている点は一定の評価はできる。

今後の研究の推進方策

高強度MCBTの有効性の検討に関しては,今後,サンプル数を増やしてさらなる検討を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Mindfulness and cognitive behavioral therapy for social anxiety (4回プログラム) の開発とその展望2021

    • 著者名/発表者名
      野田昇太, 城月健太郎, 中尾睦宏
    • 雑誌名

      武蔵野大学認知行動療法研究誌

      巻: 2 ページ: 36-46

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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