研究課題/領域番号 |
20J10350
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
武塙 浩太郎 東京工業大学, 工学院, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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キーワード | 水素燃焼 / 高効率発電 / 低炭素社会 / 酸素製造 / 不凝縮ガス |
研究実績の概要 |
本研究では,次世代発電技術として期待される酸素水素燃焼発電の実現に向けた基礎研究を行った。 令和3年度は,不凝縮ガスが酸素水素燃焼発電サイクルの発電特性に及ぼす影響を明らかにした。量論完全燃焼の条件(当量比1)において,作動流体H2Oにおける酸素水素燃焼の平衡計算を行った。H2Oの熱解離により,H2,O2,OHが不凝縮ガスとして生成されるが,空気水素燃焼の場合よりもH2,O2,OHが多く生成されることを明確にした。タービンでの急激な膨張・冷却により反応が凍結したと仮定すると,酸素水素燃焼でより多く生成されたOHは最終的に酸素として残留する可能性があることを示した(OH + OH = H2O + 1/2O2)。 深冷空気分離法による酸素製造を考えた場合,高純度(99.6vol%)で酸素が製造されると,低純度(95.0vol%)と比較して不凝縮ガス濃度は低減するが,製造動力が増加するため脱気動力の低減を考慮しても所内動力の増加の影響は大きくなった。低純度では窒素やアルゴンの不凝縮ガス混在の影響が大きくなった。製造酸素中の不純物窒素によるNO生成について,当量比1を基準に0.01減少するとNO生成量は急激に増加,0.01増加するとNO生成量は急激に減少することを明らかにした。 さらに,実際のガスタービンで用いられるマルチクラスタバーナーを想定して試作されたノズルを用い,酸素水素燃焼実験による噴流非予混合火炎の吹き消え限界,火炎安定範囲を明らかにした。酸化剤流速(窒素希釈された酸素),当量比,希釈率(酸化剤流量に対する窒素流量)を条件として,酸化剤流速および希釈率が増加すると火炎は吹き消えやすくなり,当量比1でも火炎を維持することが困難になることを実験で確認した。 酸素水素燃焼発電サイクルのシステム解析に関して,エネルギー・資源学会論文誌に論文を投稿し,その結果第18回論文賞を受賞した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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備考 |
エネルギー・資源学会 第18回論文賞受賞(武塙浩太郎,岡崎健,野崎智洋:酸素水素燃焼発電サイクルのエクセルギー解析および性能解析,エネルギー・資源学会論文誌,42(5), pp.325-336, (2021).)
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