研究課題
本研究は、IoTや5Gなどの普及に伴いますます増加することが予想されている通信トラフィックに対応するために、伝送容量の制限要因を打破するアプローチに関する研究である。本年度は、A)光通信の受信段におけるフロントエンドとなるA/D変換の高性能化と、B)伝送時の信号品質劣化の低減を行った。得られた結果は以下の通りである。A)電気的なA/D変換と比較して処理の高速化が可能な光A/D変換の高性能化について、サンプリング用光パルス列の強度ゆらぎの抑制と、広帯域なサンプリング用光パルス列と狭帯域な電気的な光検出器との帯域整合について検討を行った。強度ゆらぎの抑制に関しては、提案手法を用いて25%の強度ゆらぎの低減を実験的に実証した。また、帯域整合については、10 GHzの正弦波を入力アナログ信号とし、一般的に、電気的な光検出器では検出が困難な100 GS/sの超高速サンプリング光信号の検出の実証に成功した。さらに、帯域整合後の信号の信号品質改善手法についても提案を行い、その効果を確認している。B)光フラクショナルOFDMは、現在主流となっている2つの多重化方式間の変換が可能な伝送方式であり、伝送の自由度を向上させることができる。そのような特徴を持った光フラクショナルOFDMに対して、高非線形ファイバを用いた長距離伝送のエミュレーションを行い、非線形光学効果による信号品質劣化の低減が可能なことを実験的に実証した。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics
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