研究実績の概要 |
本研究では、アパタイト型酸化物のイオン伝導性がトルエン燃焼活性に与える影響を明らかにすることを目的とした。様々なアパタイト型希土類ケイ酸塩(Ln10Si6O27)を助触媒として用い、ここに活性種としてPtを担持した触媒(Pt/Ln10Si6O27)について、助触媒の伝導性と触媒のトルエン燃焼活性との関係を比較・考察した。その結果、助触媒の伝導性の向上に伴い、助触媒から活性種へとより多くの酸素種が供給されることで、Ptがより高価数状態(Pt2+, Pt4+)を取りやすくなり、Ptの酸化活性が向上することが明らかになった。また、Ptの酸化活性の向上に伴い、トルエン燃焼活性が向上し、Pt/La10Si6O27において最大の活性(トルエン完全燃焼温度190℃)が得られることがわかった。さらに、この活性は従来の触媒(トルエン完全燃焼温度240℃)と比較しても高活性であった。 以上の結果から、本研究では、イオン伝導性がトルエン燃焼活性に与える影響を明らかにしただけでなく、従来の触媒と比較して高性能な触媒の開発に成功した。
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