研究実績の概要 |
本研究は、社会経済的に厳しい背景を持つ校区における教師の仕事を主題とし、近年の教育改革(教師の働き方改革)との関連を探る研究である。長年にわたるフィールドワークを生かして、①働き方改革が学校現場に与える影響とそのプロセス、②働き方改革による教師の職務内容の変化、③学校の支援の変容とその帰結、という3つの課題の解明に取り組んできた。 最終年度にあたる令和3年度は、当初予定していた、各研究パートにおけるデータの収集と分析に取り組んだ。具体的には、新型コロナウィルス感染症の地域感染状況を踏まえつつ、1年間を通して小学校でのフィールドワークを行った。そのなかで特に研究課題③についての検討を行うために、教師や保護者、地域住民への半構造化インタビューを新たに15件ほど実施した。調査から、近年の教育改革という学校側の論理と学校成立時からの人口構成の変化という地域の事情が相まって、子どもたちを支える実践の変化あるいはそれに対する抵抗が生起している状況が明らかになった。 また、2年間で収集したデータの総合的な分析を進め、以下の2つの学会等で報告し、論文執筆を行った。 ・登校をめぐる支援の様相と課題―公立小学校の加配教員を事例として―, 日本特別ニーズ教育学会第27回大会(オンライン, 2021年10月) ・The Role of “Zidou-Shien” teacher in Elementary School in Japan :Teachers supporting children with difficulties. World Education Research Association Focal Meeting 2020+1 (Universidad de Santiago de Compostela,2021年8月)
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