当初の予定としては、2020年4月から入院患者を中心に歩行動画データを取得し解析を進めていく予定であった。ところが、研究開始とちょうど前後してCOVID-19パンデミックに伴い緊急事態宣言(1回目)が発出されたため、研究計画の一部変更を余儀なくされた。感染防止対策の一環として接触を避けるために、実データの取得は一旦延期とし、まずは公開されている類似データを用いて条件検討および手法の拡張を行った。 具体的には、まず公開されているデータとして1。(http://www.cs.toronto.edu/~taati/index.htm)および2。(https://zenodo.org/record/54551#.Xq2oYy3AOql)を入手した。(1)についてはパーキンソン病の診察時の総合スケールであるUPDRSのうち特定動作をパーキンソン病(PD)患者にしてもらい、それ動画動画にとって、姿勢推定ライブラリの一つであるCPMを適用して二次元での姿勢推定をしたものである。患者の座位に対してカメラの位置や向きを固定して撮影しているため他施設への外的妥当性が高いとは言えない点があるため、それを克服するべく、手や足の反復運動から周期情報データのみを抽出する手法を開発した。本検討は、この研究を進めていく上で重要な解析手法の一つになることが期待できる。この成果は筆頭著者として発表した。 以上をまとめると、初年度はCOVID-19による大学閉鎖などの影響を受けて変更の一部変更を余儀なくされたものの、代わりにデータを用いた条件検討および新規手法の開発、また関連して派生的な検討をも行うことができた。次年度以降は当初の計画をベースにさらに研究を発展させていく方針である。
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