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2021 年度 実績報告書

RNA編集酵素ADAR1のアイソフォーム特異的機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20J11266
研究機関大阪大学

研究代表者

KIM JUNG IN  大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2022-03-31
キーワードRNA編集 / ADAR1 p110 / MDA5 / 脳形成
研究実績の概要

2本鎖RNA中のアデノシンをイノシンへと置換するRNA編集酵素ADAR1には、p110とp150の2つのisoformが存在する。ADAR1 p150によるRNA編集には、内在する2本鎖RNAが細胞内センサー分子MDA5によって異物として認識されることを回避する機能がある。しかし、p110についてはよくわかっておらず、このためp110のみを欠損するマウスを作成したところ、生後致死を示すことを発見した。そこで本研究では、生後致死を回避するためのp110の機能の解明を目指す。
初年度は、p110欠損マウスについてHE染色や免疫染色を実施したが、解剖学的に明らかな異常や炎症像を見出すことはできなかった。一方で、MDA5を2重で欠損させても生後致死をレスキューすることはできず、p150とは異なるMDA5経路を介さない機能をp110が持つことが明らかになった。以上を踏まえ、昨年度はSingle-cell RNA-seqを実施し、脳に存在する多様な細胞集団や個々の細胞における遺伝子発現パターンについて解析を行った①。また、生後致死がp110によるRNA編集が欠損することに起因するかどうかを検証した②。

① p110の欠損によって生じる微細な変化を捉えるため、Single-cell RNA-seqを実施した。その結果、野生型に比べ、radial gliaが著しく減少していることが明らかになった。
② RNA編集欠失型ADAR1遺伝子変異のノックインマウスとp110欠損マウスを交配させ、編集活性を持たないADAR1を発現させたところ、p110欠損マウスの致死性がレスキューされた。以上より、RNA編集に依存しないp110の機能がマウスの生後致死の回避に必須であることが明らかになった。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] An Aicardi-Goutieres Syndrome-Causative Point Mutation in Adar1 Gene Invokes Multiorgan Inflammation and Late-Onset Encephalopathy in Mice2021

    • 著者名/発表者名
      Inoue Maal、Nakahama Taisuke、Yamasaki Ryuichiro、Shibuya Toshiharu、Kim Jung In、Todo Hiroyuki、Xing Yanfang、Kato Yuki、Morii Eiichi、Kawahara Yukio
    • 雑誌名

      The Journal of Immunology

      巻: 207 ページ: 3016~3027

    • DOI

      10.4049/jimmunol.2100526

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Mutations in the adenosine deaminase ADAR1 that prevent endogenous Z-RNA binding induce Aicardi-Goutieres-syndrome-like encephalopathy2021

    • 著者名/発表者名
      Nakahama Taisuke、Kato Yuki、Shibuya Toshiharu、Inoue Maal、Kim Jung In、Vongpipatana Tuangtong、Todo Hiroyuki、Xing Yanfang、Kawahara Yukio
    • 雑誌名

      Immunity

      巻: 54 ページ: 1976~1988.e7

    • DOI

      10.1016/j.immuni.2021.08.022

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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