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2020 年度 実績報告書

プラットフォームの理論分析:モバイルネットワーク市場への応用

研究課題

研究課題/領域番号 20J11411
研究機関大阪大学

研究代表者

猿田 冬樹  大阪大学, 経済学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2022-03-31
キーワードモバイルネットワーク / 両面市場 / 代理店契約 / 卸売り契約 / 垂直統合 / 価格圧搾
研究実績の概要

本研究課題の目的は、近年社会のライフラインの一つとなっているモバイルネットワーク市場において、ゼロレーティングをはじめとする各種料金体系や市場構造が、消費者厚生に与える影響を分析することである。またそれに伴い競争政策の議論の一助となることを目指す。主な分析対象は、消費者とコンテンツプロバイダの二つの参加者グループ間の取引を仲介する携帯電話会社であるが、 このような両面市場は他にもオンラインショッピングサイトや、音楽ストリーミングサイトなどが存在し、本研究はこれらについても強く関心を持つ。今年度の研究実績は以下の2点である。
1.独占のインターネットサービスプロバイダによるゼロレーティングプランが、コンテンツ製作会社間に与える影響を分析した。ゼロレーティングとは、特定のコンテンツやウェブサイトの利用にかかる通信量は月額のデータ利用量に参入しないというサービスであり、現在の日本でもそれを導入した携帯電話プランが提供されている。研究は"Effects of Content Providers' Heterogeneity on the Internet Service Providers' Zero-rating Choice"として、国際学術誌への投稿を行った。投稿過程において、モデルを修正し、新たな結果は論文としてまとめ直した。
2.物的製品(パッケージ)版と電子製品(ダウンロード)版が存在する製品(書籍・ゲーム・音楽など)について、川上の製品製作会社が ダウンロード版はオンラインショッピングサイトを通じた代理店販売で、パッケージ版は伝統的な小売店を通じた卸売販売で、流通させている状況を分析した。研究は、"Competition between physical and electronic content retailers"として論文にまとめ現在国際学術誌へと投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在までの進捗は、おおむね順調だと考える。理由は下記の通りである。
1.独占のインターネットサービスプロバイダによるゼロレーティングの競争効果を分析した研究は、年度初めに国際学術誌の改定要求を受け、再投稿を行ったが、学術誌のシステムエラーによって編集者に論文が渡っていない状態がしばらく続いてしまった。現在は査読プロセスが再開したので、引き続き学術誌への受理を目指していく。
2.物的製品版と、電子製品版の流通を分析した研究は、今年度も複数の研究会において報告を行い、さらに発展させたのち、ワーキングペーパーとしてまとめ、分野で評価の高い学術士への投稿まで行うことができた。
3.新たに、両面市場において両サイドの参加者が、複数のプラットフォームを利用すること(マルチホーミング)が可能な状況で、排他契約を分析する研究に取り組み始め、年度末には研究会で報告を行うことができた。

今後の研究の推進方策

一つ目と二つ目の研究については、引き続き学術誌への投稿作業を行い、掲載を目指していく。投稿過程を通じて得た意見は、逐次論文に反映させていき、研究の発展に努める。
三つ目の排他契約の研究は、現在分析結果をまとめている最中である。まとまり次第ディスカッションペーパーを発表し、国内外の研究会での報告、さらに学術誌への投稿を行っていく。

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公開日: 2021-12-27  

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