研究課題
昨年度までに、ノルコロールが嵩高い置換基が無くても安定に取り扱い可能であることを明らかにした。当該年度では、この知見を活かし、反芳香族分子ノルコロールを基盤とした導電体の形成や導電性に関わる基礎物性解明を昨年に引き続き行った。具体的には、ノルコロールの多積層体の電荷輸送能力を調査するため、水素結合形成を利用した一次元状の超分子ポリマーの形成を行った。さらに、この超分子ポリマーが対応する芳香族分子ポルフィリンから形成されるポリマーと比較して優れた電荷輸送能を示すことを明らかにした。続いて、ノルコロールと種々の酸化剤との電荷移動錯体の形成を行った。特に、一部の錯体では室温での安定なキャリアーのドープに成功し、優れた導電性の発現に成功した。これまで、反芳香族分子の研究が単分子機能に着目していたことに対して、本研究では材料機能の可能性を広げるため、集合体の形成および導電性の付与を行うことに成功した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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