• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実績報告書

ストロンボリ式噴火の噴火ダイナミクス解明へ向けた噴出フラックスの推定

研究課題

研究課題/領域番号 20J11915
研究機関京都大学

研究代表者

石井 杏佳  京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2022-03-31
キーワードストロンボリ式噴火 / 空気振動 / 阿蘇火山
研究実績の概要

今年度は、昨年度に確立した火道内のマグマヘッドの深さ推定手法を、阿蘇火山の2014-2015年活動期に取得されたデータに適用して、深さの時間変化を推定した。約半年間の地震・空振データから10万を超える爆発イベントを検出し、イベント時の地震・空振の到来時間差および空振の卓越周波数を用いて、1日ごとにマグマヘッドの深さを推定した。この際に、空振の倍音成分を用いて、火道形状の時間変化を制約し、これも考慮に加えた。推定の結果、マグマヘッドは噴火開始の約1ヶ月後から上昇を開始し、噴火活動終息の直前まで120-130 mの浅い領域にとどまっていたことが明らかになった。また、火道形状はマグマヘッドの上昇時期とほぼ同時期に、円筒から深くなるほど広がる円錐台に変化していたことがわかった。マグマヘッドの上昇に先立って、火山浅部での膨張を示唆する地盤変動が観測されており、この時期に新しいマグマの供給が増加したと考えられる。噴火活動の終息直前には、マグマヘッドの深部への移動(50 mほど)が推定された。このマグマの移動によって、不安定な火道形状を維持できなくなり、噴火活動停止のきっかけとなった火口底の崩落を招いたと考えられる。
このように阿蘇火山の噴火活動期中の供給の変化や噴火終息過程の描像を明らかにしたのは、本研究が初めてである。また、深さの推定時に火道形状の時間変化を考慮することの意義を指摘したのは、本研究の重要な点であり、改めて火口地形の定期的なモニタリングの必要性を提案した。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Combined approach to estimate the depth of the magma surface in a shallow conduit at Aso volcano, Japan2021

    • 著者名/発表者名
      Ishii Kyoka、Yokoo Akihiko
    • 雑誌名

      Earth, Planets and Space

      巻: 73 ページ: 1-15

    • DOI

      10.1186/s40623-021-01523-z

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 阿蘇火山2014-2015年活動期におけるマグマヘッドの深さ変化2022

    • 著者名/発表者名
      石井杏佳・横尾亮彦
    • 学会等名
      京都大学防災研究所研究発表講演会
  • [学会発表] 地震・空振近傍観測を用いた阿蘇火山浅部火道内におけるマグマヘッド深さ・音速の同時推定2021

    • 著者名/発表者名
      石井杏佳・横尾亮彦
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合大会

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi