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2020 年度 実績報告書

Long non-coding RNAから翻訳される新規ポリペプチドの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 20J11940
研究機関九州大学

研究代表者

見世 慎太朗  九州大学, 医学系学府, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2022-03-31
キーワード低分子ポリペプチド
研究実績の概要

近年、一部のnon-coding RNAは、non-codingではなくcodingであり、小さなポリペプチドに翻訳されることがわかってきた。我々はin silicoでのスクリーニングを行い、新たに精巣特異的に発現する2種類の新規ポリペプチドを同定した。この2種類のポリペプチドは同一遺伝子座の第1エキソンが異なる2つのアイソフォームから翻訳され、アミノ酸配列が完全に異なる。
これらのポリペプチドそれぞれについて、FLAGタグノックインマウスを作製し、免疫染色を行なったところ、どちらも精細胞において発現が確認された一方で、その発現時期が異なることが示された。さらにミトコンドリアマーカーとの共染色から、これらのポリペプチドはどちらも、ミトコンドリア局在していることがわかった。2つのポリペプチドを同時に欠損するマウス (double KOマウス)を作製したところ、雄性不妊を示した。さらに、精子形成中の精細胞ミトコンドリアを走査型電子顕微鏡で観察したところ、ミトコンドリアの大きさと形について形態異常が観察された。次にそれぞれのポリペプチドを単独で欠損するマウスを作製したところ、産仔数の低下が見られた。精子形成中の精細胞ミトコンドリアを観察したところ、double KOで見られた形態異常がそれぞれ部分的 (ミトコンドリアの大きさに異常が見られるマウスとミトコンドリアの形に異常が見られるマウス)に再現された。これらことから、2種類のポリペプチドについて、それぞれ異なる機能を持つことが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今回の研究を通して作製を予定しているマウスについて、5系統 (FLAGタグノックインマウス、ダブルノックアウトマウス、単独ノックアウトマウス、)はすでに作製を終えて、解析も順調に進んでいる。しかし、Vdac3 KOマウスは雄性不妊ということもあり、計画していた通りにマウス数を増やすことができず遅れてしまった。しかし現在では、解析可能なまで増やすことができたので、これから集中的に解析を行うことができる。ポリペプチドによるミトコンドリア形態の制御機構についても、これからVdac3 KOマウスと合わせて解析を進めていく予定である。
Vdacとポリペプチドの共結晶構造解析については、両タンパク質の精製は終了しているものの、ポリペプチドが小さいため、像を得ることが難しく、現在細かな条件検討を行なっているところである。

今後の研究の推進方策

研究計画に変更はなく、計画通りに進めていく。本年度中に、作製したノックアウトマウスの解析を終え、論文投稿を行う予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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