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2020 年度 実績報告書

癌患者ゲノムデータを基盤とした癌幹細胞におけるオートファジー依存的な特性の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20J11980
研究機関東京理科大学

研究代表者

多森 翔馬  東京理科大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2022-03-31
キーワード癌患者ゲノミクスデータ / 癌幹細胞 / オートファジー
研究実績の概要

本研究では、癌患者ゲノミクスデータ解析を基盤として癌幹細胞のオートファジー依存的な特性を解明することを目的としている。今年度は、乳癌患者ゲノミクスデータ解析により、乳癌の中でも特に予後が悪く、治療標的のないBasal-like型乳癌において、細胞極性分子PKCλの遺伝子が高発現し、癌幹細胞マーカーALDH1A3遺伝子発現と相関することを明らかにした。さらに、ステージ後期乳癌患者においてPKCλ高発現かつALDH1A3高発現群はPKCλ低発現かつALDH1A3低発現群よりも予後不良であることを明らかにした。これらのことから、ALDH1A3陽性乳癌幹細胞におけるPKCλ高発現が患者の予後不良に関与していると考え、細胞実験を行った。Basal-like型乳癌細胞株からALDH1陽性乳癌幹細胞のモデル細胞を分取し、PKCλとALDH1A3を免疫蛍光細胞染色を行った。その結果、細胞質においてPKCλとALDH1A3は共局在した。さらに、CRISPR-Cas9システムによりPKCλノックアウト細胞株を樹立し、この非対称分裂の割合の変化を調べた結果、コントロール細胞株と比較して、PKCλノックアウト細胞ではALDH1A3の非対称分配が減少した。これらのことから、ALDH1陽性乳癌幹細胞の非対称・対称分裂の新規分子機構の中心となる分子としてPKCλがALDH1A3陽性乳癌幹細胞の非対称分裂能に関与し、乳癌組織の不均一性に重要な役割を果たすことが示唆された。現在、この分子機構とオートファジーの関わりについて研究を進めている。
これらの知見は、癌の治療法決定に大きな障壁となっている乳癌組織の不均一性がどのようにして構築されるのかについて、PKCλ依存的な乳癌幹細胞の非対称分裂能の関与を示唆する新規の知見であることから、本研究の成果はその障壁の克服につながるものと考えられる。

現在までの達成度 (段落)

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

今後の研究の推進方策

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] High SLC20A1 Expression Is Associated With Poor Prognoses in Claudin-low and Basal-like Breast Cancers2021

    • 著者名/発表者名
      ONAGA CHOTARO、TAMORI SHOMA、MOTOMURA HITOMI、OZAKI AYAKA、MATSUDA CHIKA、MATSUOKA IZUMI、FUJITA TAKUMA、NOZAKI YUKA、HARA YASUSHI、KAWANO YOHEI、HARADA YOHSUKE、SATO TSUGUMICHI、MANO YASUNARI、SATO KEIKO、AKIMOTO KAZUNORI
    • 雑誌名

      Anticancer Research

      巻: 41 ページ: 43~54

    • DOI

      10.21873/anticanres.14750

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] High PKCλ expression is required for ALDH1-positive cancer stem cell function and indicates a poor clinical outcome in late-stage breast cancer patients2020

    • 著者名/発表者名
      Nozaki Yuka、Motomura Hitomi、Tamori Shoma、Kimura Yumiko、Onaga Chotaro、Kanai Shotaro、Ishihara Yuka、Ozaki Ayaka、Hara Yasushi、Harada Yohsuke、Mano Yasunari、Sato Tsugumichi、Sato Keiko、Sasaki Kazunori、Ishiguro Hitoshi、Ohno Shigeo、Akimoto Kazunori
    • 雑誌名

      PLOS ONE

      巻: 15 ページ: e0235747

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0235747

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] PKCλ高発現はALDH1A3陽性乳癌幹細胞の非対称分裂能に関与する2021

    • 著者名/発表者名
      多森 翔馬、野崎 優香、本村 瞳、翁長 朝太郎、尾﨑 綾栞、佐々木 和教、大野 茂男、秋本 和憲
    • 学会等名
      日本薬学会第141年会(広島)

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公開日: 2021-12-27  

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