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2020 年度 実績報告書

救急医療の効率化に向けた利用者の社会的背景の解明と地域の多職種連携システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 20J12355
研究機関東京大学

研究代表者

上野(奥村) 恵子  東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2022-03-31
キーワード生活保護利用者 / 高齢者 / ソフトクラスタリング / インタビュー / ケースワーカー
研究実績の概要

当初2020~2021年度は3つの研究計画を予定していたが、新型コロナウイルス感染症流行のため、研究計画1「 救急車を利用した高齢者の社会経済的要因を抽出
する社会的リスクアセスメントシートを、救急医療に携わる多職種とともに開発・運用する観察研究」ならびに研究計画2「救急車利用者の高齢者やその家族から
救急車利用に至るまでの経緯を聞き取る質的研究」において、研究協力機関からの協力が得られず研究実施が困難となった。
そこで2020年度から開始していた研究「生活保護を利用する高齢者の集団の特性の把握」の再解析を追加し、2021年度の新たな研究計画3として追加した。2016年に2自治体の福祉事務所から入手した生活保護を利用する高齢者の基本管理データ、介護扶助データを用いて、ソフトクラスタリングの手法により、男女別に生活保護を利用する高齢者を5つの小集団に類型化した。さらに、福祉事務所のケースワーカーを対象としてオンラインシステム上で半構造化面接を実施した。インタビューでは、ソフトクラスタリングにより得られた男女別の生活保護を利用する高齢者の小集団の結果を提示し、ケースワーカーが実際に支援する高齢の利用者像を反映しているか、反映していない場合はその理由は何であるかを聞き取った。実際の高齢の利用者像を反映している小集団もあり、ソフトクラスタリングを用いた集団の類型化の有用性が示され、支援策の対象集団として利用可能であることが分かった。また、実際の高齢の利用者像を反映していない小集団では、主に3つの理由が明らかとなり、今後のクラスタリング手法の利用に関して解決すべき課題が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初2020~2021年度は3つの研究計画を予定していたが、新型コロナウイルス感染症流行のため、研究計画1「救急車を利用した高齢者の社会経済的要因を抽出する社会的リスクアセスメントシートを、救急医療に携わる多職種とともに開発・運用する観察研究」ならびに研究計画2「救急車利用者の高齢者やその家族から救急車利用に至るまでの経緯を聞き取る質的研究」において、研究協力機関からの協力が得られず研究実施が困難となった。
そこで2020年度から開始していた研究「生活保護を利用する高齢者の集団の特性の把握」の再解析を追加し、2021年度の新たな研究計画3として追加した。福祉事務所から入手したデータを用いて、クラスタリング手法により男女別に生活保護を利用する高齢者を5つの小集団に類型化した。さらに、福祉事務所のケースワーカーを対象としてオンラインシステム上で半構造化面接を実施し、前述のクラスタリングにより得た小集団の妥当性やクラスタリングの実施における課題を検証することができた。

今後の研究の推進方策

研究「生活保護を利用する高齢者の集団の特性の把握」で得られた知見をもとに、今後は対象者を高齢者だけでなく、成人の生活保護利用者や子育て世帯の生活保護利用世帯にも応用し、生活保護利用者の健康・生活支援で活用できる成果を得ていく予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Frequent outpatient attendance among people on the governmental welfare programme in Japan: assessing both patient and supplier characteristics2020

    • 著者名/発表者名
      Nishioka D, Saito J, Ueno K, Kondo N
    • 雑誌名

      BMJ open

      巻: 10 ページ: e038663

    • DOI

      10.1136/bmjopen-2020-038663

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 医療機関で用いる患者の生活困窮評価尺度の開発2020

    • 著者名/発表者名
      西岡 大輔、上野 恵子、舟越 光彦、斉藤 雅茂、近藤 尚己
    • 雑誌名

      日本公衆衛生雑誌

      巻: 67 ページ: 461-470

    • DOI

      10.11236/jph.67.7-461

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 生活困窮世帯の子どもに対する支援法とその効果について:国際的知見2020

    • 著者名/発表者名
      上野 恵子
    • 雑誌名

      公衆衛生情報

      巻: 49 ページ: 10-11

  • [学会発表] 修正デルファイ法を用いた救急搬送された高齢者の社会経済的要因を評価する多職種アセスメントシートの開発2020

    • 著者名/発表者名
      上野恵子、寺本千恵
    • 学会等名
      第23回日本臨床救急医学会総会・学術集会

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公開日: 2022-12-28  

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