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2020 年度 実績報告書

森林の植物が根滲出物を介して土壌の微生物群集および物質循環に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 20J12464
研究機関京都大学

研究代表者

中山 理智  京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2022-03-31
キーワード根滲出物 / 物質循環
研究実績の概要

本申請課題では、糖やアミノ酸、有機酸などを含み、有機物の分解を担う微生物へ影響することで森林の物質循環に影響する植物の根滲出物に着目し、森林土壌における炭素隔離能力を最大限に発揮するために森林の炭素・養分循環を解明することを目的としている。
本課題では、森林における根滲出物の採取と野外・室内での培養実験によって植物種や季節によって根滲出物の量や化合物組成がどのように変わるのかを明らかにし、さらに根滲出物の違いが微生物・物質循環にどのような影響を与えるのかに着目して研究を行っている。具体的には、以下のように研究を行っている。(1)樹木成木を含む森林の植物が土壌へ滲出する根滲出物の解明のための野外調査。(2)根滲出物が土壌微生物の成長や活性への刺激を介して森林土壌の物質循環に与える影響解明のための根滲出物添加培養実験。
当該年度は(1)に関して、根滲出物採取法の比較および改良を行った。さらに改良した手法を用いて森林内に生育するミズナラ成木、カラマツ成木、トドマツ成木、および下層植生であるミヤコザサから根滲出物の採取を行った。その結果、根滲出物中に含まれるアミノ酸の組成は植物種によって異なり、特に針葉樹と広葉樹で異なることが明らかとなった。また(2)に関して、予備実験として行った、野外でミズナラ成木の細根を生きたまま用いる1年間の培養の結果を取りまとめた。結果として、ミズナラの成木は窒素や炭素の分解に関わる酵素活性を高め、有機物の分解を促進する一方で、無機態窒素を吸収によって見かけ上の窒素利用可能性には影響しないことを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新型コロナウイルス流行の影響により根滲出物の測定に伴う移動が制限されたため、根滲出物中の糖や有機酸の測定はやや遅れているが、根滲出物に含まれるアミノ酸の定量には成功している。

今後の研究の推進方策

令和3年度は課題Aに関して成木の根滲出物中の有機酸類、糖類の測定を行う。また課題Bに関して、令和2年度に得られた結果および文献をもとに室内培養実験を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] In-situ measurement of the effect of canopy tree fine roots on nitrogen availability in forest soil2021

    • 著者名/発表者名
      Nakayama Masataka、Tateno Ryunosuke
    • 雑誌名

      Rhizosphere

      巻: 18 ページ: 100324~100324

    • DOI

      10.1016/j.rhisph.2021.100324

    • 査読あり
  • [学会発表] 北海道東部の森林における初冬および初春の酵素活性に対する根圏効果2020

    • 著者名/発表者名
      中山 理智、舘野 隆之輔
    • 学会等名
      第132回日本森林学会大会

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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